
Claude悪用でサイバー攻撃が2時間に短縮 中露系ハッカーが政府機関を標的、2500万SIM監視にも利用
アンソロピックは、同社のAI「Claude」がサイバー攻撃や大規模監視システムの構築に悪用されたと明らかにした。ロシア語話者の攻撃者は20以上の組織を標的にし、中国語話者のグループはゼロデイ候補の発見にClaudeを利用していたという。

アンソロピックのAIモデル「Claude」が、サイバー攻撃の自動化や大規模監視システムの構築に悪用されていた。同社が木曜日に公表した脅威インテリジェンス報告書で明らかにした。
同社によれば、ロシア語話者や中国語話者のオペレーターが、Claudeを使って攻撃の一部を自動化していたという。
とりわけ目を引くのが、ロシア語話者のオペレーター「JackPoterz」の事例だ。この人物は、AIを組み込んだ独自のワークフローを使い、攻撃の大部分を自動化。政府省庁や情報機関を含む20以上の組織を標的にしていた。
標的はそれだけではない。ウクライナや欧州にある大使館、外交使節団にも攻撃の手を伸ばしていたという。
一方、中国語話者のオペレーターも、Claudeを脆弱性調査のための「設計・指揮レイヤー」として利用していた。あるワークフローでは、ネットワーク機器のファームウェアを対象に、1カ月で十数件のゼロデイ候補を生み出したという。
アンソロピックは、AIがサイバー攻撃の「経済性」を変えつつあると警鐘を鳴らす。従来なら複数の人員や専門知識が必要だった侵害作業を、個人の攻撃者が2〜3時間で完了し、同時に数十の被害者を扱えるようになっているためだ。
さらに同社は、マリの国家情報機関と協力していたとみられる、バマコ拠点の独立系コンサルタントの事例も明らかにした。
この人物は、Claudeを事実上の主要な開発人員として利用し、国内向けの大規模監視システムを構築していたという。対象となったのは、マリ国内の携帯通信事業者3社すべてにまたがる、およそ2500万枚のSIMカードだった。
実際に展開されたプラットフォームは、外部クラウドではなくオンプレミス環境で稼働し、ローカルモデルを利用していた。Claudeは、ソフトウェア設計やエンジニアリング支援の役割を担っていたという。
このシステムは、裁判所の令状なしに電話番号に関する情報ファイルを生成できるよう設計されていた。

