
ビットコイン採掘業者が悲鳴 半減期で利益圧迫、低コスト企業だけが生き残る時代へ
コインシェアーズによれば、コーミントやテラウルフといった採掘業者は、ビットコインの低コスト生産者の代表格だ。利幅がじわじわと削られるなか、この「安く掘れる力」は決定的な武器になっている。

ビットコイン(BTC)の採掘業者たちが、コスト削減と人工知能(AI)への活路を模索している。4月に実施されたビットコイン・ネットワークの「半減期」の余波に、業界がいまだ苦しめられているためだ。暗号資産運用会社コインシェアーズが10月28日に公表したレポートで明らかにした。
コインシェアーズの第3四半期マイニングレポートによれば、BTC採掘のコストと難易度が上昇したことで、ビットコイン採掘業者の明暗は大きく分かれているという。
「ビットコイン採掘業界は今年、収益とハッシュ価格の低下に直面し、大きな試練を迎えている」とコインシェアーズは指摘する。
「それでも採掘業者たちは、将来的な価格上昇を見込み、新たなインフラ整備を進め、さらなる拡張にもコミットし続けている」

ビットコイン・ネットワークの半減期は4年ごとに起きる。1ブロックあたりに新たに採掘されるBTCの数が半分に減る仕組みだ。
4月の半減期では、採掘報酬が1ブロックあたり6.25BTCから3.125BTCに削減された。これにより、1BTCを採掘するための現金コストは大きく跳ね上がった。
コインシェアーズはこう分析している。
「第2四半期の現金コストデータに基づくと、上場採掘業者全体の1BTCあたり平均生産コストは現在4万9500ドル、約802万円と推計される。第1四半期の4万7200ドル、約765万円から上昇した。ただし現在の価格水準では、多くの採掘業者にとって依然として採算の合う事業であることを示している」
なかでも、コーミントとテラウルフは低コスト生産者として際立っている。1BTCを採掘するための電力コストは、コーミントが約1万5000ドル、約243万円、テラウルフが約1万9000ドル、約308万円にとどまる。
他の採掘業者では、1BTCあたりの電力コストが2万ドル、約324万円を超えるケースも多い。マラソン・デジタル・ホールディングスやハイブ・デジタルなど一部の企業では、1BTCあたり4万ドル、約648万円を超える電力コストを計上している。
ビットコイン採掘コストは、電力の調達源、電力会社との契約内容、採掘機器の効率など、さまざまな要因によって左右される。
コインシェアーズのレポートによれば、BTC採掘の採算性が低下していることが、採掘企業の間でAIを含む収益源の多角化が進んでいる理由かもしれないという。
ビットコイン採掘業者のハイブは、エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)に6600万ドル、約106億9000万円を投資した。ハイブは10月、コインテレグラフに対し、このGPUについて説明している。
一方、ビットコイン採掘コストを引き下げるため、合併・買収に向かう採掘業者も出ている。JPモルガンが8月のレポートで指摘した。
JPモルガンはこう述べている。
「ライオット・プラットフォームズやクリーンスパークのような現金余力のある採掘業者は、すぐに稼働可能な施設を持つ他の採掘業者を買収した。これにより、短期的なハッシュレートを引き上げるとともに、電力確保のパイプラインを拡大している」

