
ビットコイン取引が異常増加 価格低迷でも「少額取引8割」で過去最高水準に迫る
OP_RETURNの利用が過去最高に近づくなか、少額のビットコイン取引が急増している。価格が伸び悩む一方で、ビットコインのネットワーク活動は過去最高水準に迫っている。

ビットコインのネットワーク上で、異変が起きている。
0.01ビットコイン未満、つまり現在の価格で約635ドル、日本円にして約10万2100円未満の小口取引が、いまやビットコインの日次取引全体のおよそ8割を占めるまでになっている。価格の動きは冴えない。それでも、ネットワーク上の取引活動は過去最高水準に迫っているのだ。
ブロックチェーン分析企業クリプトクアントが木曜日に公表したレポートによれば、同社のビットコイン「ネットワーク活動指数」は、2024年以来初めてプラス圏に浮上した。
0.01BTC未満の取引は、2023年時点ではビットコインの日次取引全体の約44%にすぎなかった。それが、いまではほぼ倍増している。背景にあるのは、オーディナルズ、ルーンズ、そしてその他のデータ刻印プロトコルの拡大だ。
レポートを執筆したクリプトクアントの調査責任者フリオ・モレノ氏は、こうした非金融的な活動が継続的に増えれば、「ブロックスペースをめぐる競争を激化させ、経済的な取引の手数料を押し上げる可能性がある」と指摘した。
ただし、モレノ氏はこうも書いている。
「これらの取引が持つ経済的価値は、しかしながら、取引件数に比べて不釣り合いに小さい」
つまり、ネットワークは賑わっている。だが、その中身は必ずしも大口の資金移動ではない、というわけだ。
クリプトクアントによれば、現在のビットコインのネットワーク活動は、2024年9月に記録した過去最高水準をわずか7%下回るところまで回復している。

Bitcoin’s network activity is 7% below its all-time high recorded in September 2024. Source: CryptoQuant
再び混み合うビットコイン網 火種は「刻印」取引
現在の混雑は、過去のビットコイン刻印ブームのピーク時ほどではない。とはいえ、再びネットワークを圧迫し始めていることは確かだ。
ビットコインの刻印とは、画像、テキスト、トークン情報などのデータを、ブロックチェーン上に直接埋め込む行為を指す。
2023年には、オーディナルズやBRC-20関連の活動が急増し、通常の送金と同じブロックスペースを奪い合った。その結果、未承認取引の滞留が膨らんだ。さらに2024年末には、ルーンズ・プロトコルのローンチ後にも、同様の混雑が発生している。
今回のレポートによれば、ルーンズ、オーディナルズ、BRC-20トークン、そしてデータのタイムスタンプサービスは、価値の小さい取引を大量に生み出している。これが、小口取引の急増を説明する大きな要因だ。
なかでも焦点となっているのが「OP_RETURN」である。
OP_RETURNとは、使用可能な出力を作らずに、オンチェーン上へデータを埋め込めるオペコードだ。2026年には、その利用が過去最高に近い水準まで増えている。
このOP_RETURNをめぐっては、2025年にビットコイン・コミュニティ内で意見が割れた。ビットコイン・コアの開発者らが、長年維持されてきた80バイトのリレー制限を撤廃したためだ。批判派は、この変更により、ビットコインが非金融データの保存場所として使われやすくなると主張した。
モレノ氏はレポートでこう説明している。
「OP_RETURNオペコードは、使用可能な出力を作らずに、最大10万バイトのデータをオンチェーンに埋め込む。これにより、ビットコインのデータレイヤー・プロトコルにおける標準的な仕組みとなっている」
こうしたプロトコルは、大量の「ダスト」取引を生む。取引額は、わずか546サトシ、現在価格で約0.35ドル、日本円にして約56円程度にまで下がることもある。小口取引の比率が急上昇している理由は、まさにここにある。
その結果、ビットコインのメンプール、つまり未承認取引の待機場所には、およそ12万8000件の取引が積み上がっている。これは、2025年2月以来の高水準だ。

