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Zoltan Vardai
執筆者:Zoltan Vardaiスタッフライター
Bryan O'Shea
校閲:Bryan O'Sheaスタッフ編集者

アーベで150億ドル流出 ケルプDAOハッキングが波及

アーベで150億ドル流出 ケルプDAOハッキングが波及
ニュース

分散型レンディングプロトコルであるアーベ(Aave)は、土曜日に発生したケルプDAO(Kelp DAO)の不正流出事件以降、約150億ドルの預かり資産流出に見舞われた。

Aavescanのデータによると、アーベに供給された資産総額は土曜日の458億ドルから水曜日には308億ドルまで減少した。

この減少は、LayerZeroを活用したrsETHブリッジから約11万6500ETH(約2億9300万ドル相当)が流出した攻撃を受けたものだ。攻撃者は盗んだ資金の一部を使い、アーベ上で借り入れを行った

アーベのインシデント報告によれば、プロトコルには8万9567rsETHが預け入れられており、最終的な損失配分によっては、約1億2300万ドルから2億3000万ドルの不足が生じる可能性がある。

機関投資家向けデジタル資産取引プラットフォームのタロスは、今回の資金流出について、アーベの不良債権に対する懸念や、DeFi全体からの資金流出への警戒感が背景にあると指摘した。

ケルプDAOの攻撃者によって生じた不良債権は、アーベのv3におけるラップド・イーサ(WETH)市場の利用率を一時100%まで押し上げ、即時引き出しが不可能な状態にしたと、タロスは火曜日のレポートで述べている

Total amount supplied in Aave, 3-month chart. Source: Aavescan

ブロックチェーン分析者のエンバーCN氏は水曜日のX投稿で、ケルプDAOの不正流出以降、スパークレンドの総預かり資産(TVL)が13億ドル増加したと指摘した。アーベから流出した資金の一部が、4番目に大きいレンディングプロトコルであるスパークレンドに流入した可能性がある。

ケルプDAO問題、DeFiレンディング市場に波及

今回の事例は、DeFiの相互接続性が諸刃の剣であることを浮き彫りにした。ケルプDAOの問題はレンディング市場全体に波及し、「より広範な流動性危機」に発展したと、タロスのシニアリサーチアソシエイトであるタナイ・ヴェド氏はコインテレグラフに語った。

同氏は、今回の資産構造がリステーキング、ブリッジ、レンディングといった複数のレイヤーにまたがるリスクを内包していたため、影響が初期の攻撃を大きく超えて拡散したと指摘する。また、この事例は、担保フレームワークの強化や、利回り資産に内在する構造的脆弱性に対処するための包括的なセキュリティアプローチの必要性を改めて示していると付け加えた。

Aave v3 Market Utilization Rate percentage across USDC, USDT, WETH, USDe. Source: Talos

アーベは火曜日、イーサリアムコアV3市場におけるWETH準備金の凍結を解除し、ユーザーがV3レンディングプロトコルにWETHを供給できるようにしたと発表した。一方で、イーサリアムプライムやアービトラム、ベース、マントル、リネアにおけるWETH準備金は依然として凍結されたままだ。

損失配分を巡り市場で思惑交錯

月曜日、アーベのリスクマネージャーは不良債権処理について2つのシナリオを提示した。1つは、損失をイーサリアムメインネットおよびレイヤー2上のすべてのrsETH保有者に分散させる案で、この場合アーベには約1億2300万ドルの不良債権が残る。

もう1つは、不足分をすべてレイヤー2ネットワークに負担させる案で、この場合アーベの不良債権は約2億3000万ドルに達する。

トレーダーはこの結果を巡り予測市場で賭けを行っている。ポリマーケットのデータによると、トレーダーの約20%が、損失はレイヤー2ではなくメインネット上のrsETH保有者に分配されるとのシナリオに賭けている。

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