
ビットコインはまだ底打ちせず? 6万ドル割れでも「本当の底」は第4四半期との見方
ビットコイン(BTC)は6月第2週、いわば“敗戦処理”からのスタートとなった。しかも市場関係者の視線の先には、年内にもう一段の安値をつける可能性がちらついている。トレーダーの間では、BTC価格はいったん自律反発するとの見方が出ている。だが、肝心の「底」はまだ打っていない――。そこが共通認識になりつつある。

ビットコイン(BTC)は6月第2週、いわば“敗戦処理”からのスタートとなった。しかも市場関係者の視線の先には、年内にもう一段の安値をつける可能性がちらついている。
トレーダーの間では、BTC価格はいったん自律反発するとの見方が出ている。だが、肝心の「底」はまだ打っていない――。そこが共通認識になりつつある。
米国のインフレ指標は、長引く米イラン戦争のさなかで、市場の胆力を試すことになる。ドナルド・トランプ米大統領が和平合意に前向きな発言をしても、リスク資産をめぐる不安は容易には収まらない。
一方で、複数のオンチェーン指標は、売りの最悪期がすでに過ぎた可能性を示している。暗号資産市場のセンチメントは、過去最低水準に近いところまで沈み込んでいる。
弱気相場の底は、まだ数カ月先か
トレーディングビューのデータによると、ビットコインは直近の週足終値付近で小幅に持ち直した。ただ、市場関係者の間では、明るい材料の乏しさが際立っている。
トレーダーのレナート・スナイダー氏は、Xへの投稿でこう分析した。
「前週のローソク足はかなり弱気で引け、7万2500ドル(約1160万円)付近に不均衡を残した。前週安値の5万9100ドル(約946万円)を維持できる限り、今週の最終的なロング目標は、この7万2500ドルの不均衡だ」

BTC/USDT four-hour chart. Source: Lennaert Snyder/X
別のトレーダー、マーク・カレン氏は、仮に反発局面が訪れたとしても、弱気相場の安値はまだ先だと警告する。
「BTCは6万ドル(約960万円)を一掃した。これは当初想定していたより少し早かった」
同氏はXのフォロワーに向けて、こう続けた。
「6月の残りは、もう少し横ばいから上方向の動きになると見ている。ただし、最終的な市場の底は第3四半期半ばから後半まで来ないと考えている」

BTC/USD one-day chart. Source: Mark Cullen/X
暗号資産コメンテーターのコリン・トークス・クリプト氏も、時期こそやや異なるものの、似た見方を示した。BTC/USDは、長期の重要トレンドラインである200週単純移動平均線を下回って引けたという。
「したがって、おそらく1〜3カ月ほど反発した後、第4四半期に新たな安値へ下落する展開になる」
同氏は、第4四半期が「サイクルの底になる可能性が高い」と指摘している。

BTC/USD one-week chart with 200SMA. Source: Cointelegraph/TradingView
CPIとPPI、数年来の高水準が市場を試す
今週、市場の神経をさらに逆なでするのが、5月の米インフレ統計だ。すでに市場は利上げを織り込み始めている。
5月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、米イラン戦争が経済に与えている影響を映し出すことになる。
4月分の更新時点で、両指数は数年来の高水準に達していた。CMEグループのフェドウォッチ・ツールによる最新データでも、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しは急速に変化している。
投資情報メディアのコベイシ・レターは先週末、こう分析した。
「基本シナリオでは、2027年初めまでに2回の利上げが示されている。さらに、2027年4月までに3回の利上げが行われる確率も17%に上昇している」
「ほんの数カ月前まで、市場は2026年だけで最大4回の利下げを見込んでいた」

Fed target rate probabilities (screenshot). Source: CME Group
これまで米株式市場は、インフレリスクをおおむね振り払い、テック株主導で史上最高値を何度も更新してきた。
だが、その構図も今週はやや不安定になっている。利上げへの警戒感が市場全体に広がりつつあるためだ。韓国株式市場は月曜日、寄り付きで8%下落し、ボラティリティのため取引が一時停止された。

Korea Composite Index one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
暗号資産プラットフォーム、コイン・ビューロー創業者のニック・パックリン氏は日曜日、こうコメントした。
「世界で最も熱い株式市場に、何か変化が起きた」
「韓国株は今年90%上昇している。だが、韓国ETFのオプションチャートは、強気の賭けから下落ヘッジへと反転した。これは、まだ取引に残っている投資家が、もはや自信を持てなくなっていることを示すサインだ」

Market data for iShares South Korea ETF. Source: Nic Puckrin/X
トランプ氏の和平発言でも、市場不安は消えず
マクロ面の圧力と並行して、市場の不確定要因となっているのが米イラン戦争の行方だ。これは依然として、相場を大きく揺らす材料であり続けている。
先週、ドナルド・トランプ米大統領は、この紛争について「うまくいくだろう」と述べた。しかし、その保証めいた発言も、BTC/USDが数年来の安値を更新する流れを止めることはできなかった。
その後も双方の攻撃の応酬があり、不透明感は続いた。
フィナンシャル・タイムズなどが日曜日に報じたところによると、トランプ氏は電話インタビューで、最新の攻撃は和平交渉に影響しないと述べ、事態を前向きに見せようとした。
「合意は、それ自体の価値によって成立するかもしれないし、しないかもしれない。ただ、今回のことは合意に何の影響も与えない」
ビットコインは、トランプ氏の発言にいくらか支えられたようにも見えた。同氏は、イスラエルはイランとの合意を受け入れる以外に「選択肢はない」とも主張していた。
一方、原油価格は週明けに上昇し、WTI原油は1バレル95ドル(約1万5200円)を再び上回った。

CFDs on US WTI crude oil one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
暗号資産トレーダーでアナリストのミカエル・ファン・デ・ポッペ氏は、新週の始まりは荒れると警告した。
「月曜の寄り付きに向けて、価格はやや下に振れると見ている。金曜の夕方、株式市場が崖から落ちるように下げたためだ」
同氏はXでこう続けた。
「米国市場の寄り付き後、あるいは火曜日には上向きに転じ、ビットコインにも上昇モメンタムの兆しが見え始めるだろう」

BTC/USDT one-day chart. Source: Michaël van de Poppe/X
指標は売り圧力の緩和を示す
ビットコイン界隈では、直近の6万ドル割れでBTCが弱気相場の底を打ったのかどうかが、引き続き最大の焦点になっている。
先週、コインテレグラフは、市場反発に必要な前提条件の多くはすでに整っているとする分析を報じた。
オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアントも最新リサーチで、下落局面の最悪期は過ぎた可能性があるとする材料を追加した。
同社の寄稿者であるXWINジャパンは、クイックテイクのブログ投稿でこう述べている。
「これらの指標を総合すると、投機的な過熱はおおむね市場から取り除かれたことが示唆される」
「市場心理は熱狂から警戒へと移り、投資家は忍耐と蓄積の局面に入っている」
ここで注目されている3つの指標は、長期保有者(LTH)と短期保有者(STH)のSOPR、損失状態にあるBTC供給量、そして200日単純移動平均線だ。
200日移動平均線については、BTC/USDが先週、2023年以来初めてこの水準まで戻ってきたことで、すでにトレーダーの注目を集めている。
XWINは、その他の指標についてこう説明した。
「LTH-SOPRとSTH-SOPRの比率は大きく低下しており、長期保有者が前回の強気相場で見られたような大きな利益確定を行っていないことを示している」
「利益が出ている供給量はおよそ47%まで低下した。つまり、ビットコイン保有者の半数以上が、損益分岐点か含み損の状態にある。強気相場では供給量の90%超が利益状態にあることも多く、それとは対照的だ」

Bitcoin supply in profit (screenshot). Source: CryptoQuant
クリプトクアントはまた、テック株が脚光を奪っていることで、暗号資産全体に「需要不足」が生じているとも指摘した。
「絶望」は買い場のサインか
暗号資産市場のセンチメントは、クリプト恐怖・強欲指数によると、再び一桁台に沈んだ。だが、すでに買い場が訪れている可能性もある。
同指数は、市場心理を複数の要素から測定するものだ。月曜日の数値は100点満点中8。明確な「極度の恐怖」圏内である。
このような低水準は、最後に確認されたのが4月初めであり、過去でも最低水準に近い。

Crypto Fear & Greed Index (screenshot). Source: Alternative.me
ソーシャルメディア上の反応を追跡する調査プラットフォームのサンティメントは、現在の状況を「2月中旬以来、最も強い悲観」と表現した。
同社はXでこう述べている。
「歴史的に見ると、こうした広範な絶望の局面は、しばしば市場の底に近いところで現れてきた」
「トレーダーがある資産クラスを『終わった』と宣言し始めるとき、特に暗号資産のように投機主導の性格が強いものでは、多くの売り手がすでにポジションを手放していることを示す場合が多い。その結果、価格を大きく押し下げるための供給が少なくなる」

Crypto sentiment data. Source: Santiment/X
2月、6万ドル台が再び意識され始めた際にも、センチメントの崩壊が先行し、その後BTCは7万ドル台半ば、すなわち約1200万円前後まで反発した。
サンティメントはこう付け加えている。
「センチメントだけで正確な転換点を予測することはできない。ただし過去のパターンを見ると、投資家が暗号資産は『終わった』と最も強く信じている時期は、群衆心理の逆側に立つ忍耐強いトレーダーにとって、平均よりも安全な機会を提供してきたことが多い」

