
ビットコイン8万ドル割れ、なぜ?金も下落、米国株に資金流入
ビットコインは8万ドル(約1274万円)を維持できず反落した。金価格も高値圏から失速する一方、米国株は小幅上昇。市場の目線は米国債から、PCE物価指数とエヌビディア決算へ移りつつある。

ビットコイン(BTC)は、火曜のウォール街取引開始を前に8万ドル(約1274万円)を割り込んだ。暗号資産と金が売られる一方で、米国株には買いが入った格好だ。
ポイントは三つある。ビットコインは8万ドルを「下値支持線」に変えることに失敗し、上昇の勢いがしぼんだ。金も1オンス4697ドル(約74万7900円)の数カ月ぶり高値から反落し、米30年債利回りは3週間ぶり低水準をうかがう展開となった。そして市場の関心は、国債から米インフレ指標、さらに翌日のエヌビディア決算へと移っている。
ビットコイン、8万ドル奪還に苦戦
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDは14週間ぶり高値となる8万1265ドル(約1294万円)をつけた後、ビットスタンプで一時7万8111ドル(約1244万円)まで下落した。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
トレーダーらがかねて「強い売り圧力のある水準」と見ていた8万ドル台は、やはり簡単には取り戻せなかった。米国時間に入ると、ビットコインと金の双方で下げが強まったように見える。XAU/USD(金スポット)は1オンス4605ドル(約73万3300円)まで下げ、日中で約2%安となった。

XAU/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
先週は、金と暗号資産が上昇する一方で米国株は圧迫されていた。だが今週もその分裂は続き、S&P500とナスダック総合指数はそれぞれ0.2%、0.5%の小幅高となった。

Nasdaq Composite Index one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
米国株の底堅さは、米国とカナダの通商・関税交渉が決裂したことによる緊張を、ひとまず脇に置いたようにも映る。ドナルド・トランプ米大統領は、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、カナダが米国を「食い物にしている」と非難した。
さらにトランプ氏は、「過去10年、米国はカナダ相手に年平均600億ドル(約9兆5500億円)を失ってきた。もう終わりだ」と投稿した。
一方、米国債利回りはこの日も低下した。30年債利回りは5.2%を下回り、8月7日以来の低水準を試す動きとなっている。先週の暗号資産市場の急騰は、利回りが2007年1月以来の高水準に達し、米財務省が上昇を抑えるために国債買い戻しオペの拡大を発表した局面で起きたものだった。

US 30-year bond yield one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
今後も債券市場への介入が続く可能性について、投資情報アカウントのコベイシ・レターは、暗号資産市場にとって重要な流動性要因となり得る利下げについて、現在のインフレ環境では選択肢になりにくいとの見方を示した。
同アカウントはXで、「現実には、FRBはこの環境で利下げできない。トランプ政権もそれを分かっている。だから短期的に金利と利回りを押し下げるには、債券市場への直接介入しかない」と述べた。
そして、こう結んだ。「われわれの見方はこうだ。財務省に逆らうな」
コインテレグラフが報じたように、市場では9月のFRB会合で利上げ停止が続くとの見方が中心だ。CMEグループのFedWatchツールによれば、その確率は現在61.9%となっている。

Fed target-rate probabilities for September FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group
PCEとエヌビディア決算に注目
目先のマクロ環境について、取引会社QCPキャピタルは、市場の焦点が米財務省から、米国の新たなインフレ指標と、8月27〜29日に開かれるFRBのジャクソンホール経済シンポジウムへ移っていると指摘した。
水曜日には、FRBが重視するインフレ指標として知られる7月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。6月分は2020年以来初の前月比低下となっていた。さらにテック大手エヌビディアも同日に決算を発表する予定で、リスク資産に新たな値動きをもたらす材料となりそうだ。

