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Marcel PechmanライターRay Salmond監修編集者

ビットコイン6万ドル攻防 採掘業者を襲う“過去最低の採算”

マーケット公開日2026年6月11日

採掘業者の利益は過去最低、ビットコインは6万ドルの攻防へ――市場関係者は本当に身構えるべきなのか。

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ビットコイン価格が6万2000ドル(約992万円)まで下落するなか、オンチェーン上の活動も弱含み、採掘業者の収益は過去最低水準に落ち込んでいる。

この収益悪化が、投資家の不安をかき立てている。採掘業者やマイニングプールはいまだに1100億ドル(約17兆6000億円)超に相当するビットコインを保有しており、売り圧力が市場にのしかかる可能性があるためだ。

1 TH/second of hashing power per day returns, USD. Source: Luxor Hashrate Index

ルクソール・ハッシュレート・インデックスによると、1テラハッシュ毎秒の計算能力が1日に生む推定収益は、火曜日に0.028ドル(約4.5円)まで低下した。1カ月前の0.039ドル(約6.2円)から大きく落ち込み、過去最低を記録した格好だ。

より具体的に言えば、電気料金を1キロワット時あたり0.07ドルとして計算した場合、アントマイナーS21 XPハイドロの月間粗利益は137ドル(約2万1900円)にまで減少した。前月は192ドル(約3万700円)だった。

採掘業者を締め付けるこの採算悪化は、AI向け計算能力への需要とインフラ投資が急拡大するなかで起きている。市場心理は冷え込み、ビットコインにとって重要な6万ドル(約960万円)の支持線が、いままさに試されている。

Bitcoin miners' 30-day net position change, BTC. Source: Glassnode Studio

グラスノード・スタジオのデータでは、採掘業者およびマイニングプールのアドレスに保有されるビットコインの14日平均のネットポジション変化は、5月初旬にマイナスへ転じ、その後もマイナス圏にとどまっている。

こうした売却が、日々の運転資金を確保するためなのか、債務レバレッジを圧縮するためなのか、あるいはAIデータセンター向け計算事業への転換資金を捻出するためなのかは定かではない。だが、結果としてビットコイン価格の上値を重くしていることに変わりはない。

Source: X/LightningNewsX

ビットコインのハッシュレートが一部の大手マイニングプールに集中していることも、アナリストからたびたび批判の的となってきた。直近7日間のデータでは、ファウンドリーUSA、アントプール、F2プールの上位3社だけで、市場シェアの59%を握っている。

2022年時点では、上位3つのビットコイン・マイニングプールの合計シェアは44%だった。つまり、採掘の集中度はこの数年で一段と高まっている。

バーンスタインのアナリストらによれば、AIデータセンターを拡張するうえで最大のボトルネックは、半導体チップではなく電力へのアクセスだという。この制約が、ビットコイン採掘業者の一部に、保有する電力インフラをAI計算用途へ転用させる動機になっている。

Source: X/Capriole Investments

現在、AI計算事業は、従来型の暗号資産マイニングよりも安定的で収益性が高い分野とみなされている。

カプリオール・インベストメンツ創業者のチャールズ・エドワーズ氏によれば、ビットコインの採掘原価は、減価償却費を含めて6万2650ドル(約1002万円)に達している。一方、電気代だけで損益分岐点を考えた場合の絶対的な下限は5万120ドル(約802万円)だという。

もっとも、すべての採掘業者が同じ条件で掘っているわけではない。上場企業のなかには、より効率的なASICマシンを使い、産業規模の電力契約を結ぶことで、かなり低いコストで採掘している企業もある。

アメリカン・ビットコイン・コープ、ティッカーはABTC US、は2026年第1四半期に、1ビットコインあたりの総運営コストが約3万6200ドル(約579万円)だったと報告している

結局のところ、業界全体に共通する単一の採掘原価を示すことはできない。一部の事業者は、税務上のメリットを狙って、赤字でも採掘を続ける場合があるためだ。

仮に高コストの採掘業者が一時的に操業を停止したとしても、現在のスポット市場における機関投資家の資金フローは、採掘業者が日々生み出すビットコインの量を大きく上回っている。

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カプリオール・インベストメンツのデータによれば、ビットコインは2019年に6カ月以上、推定採掘原価を下回って取引された。2023年にも同様の局面があった。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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