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Marcel PechmanライターSam Bourgi監修ライター

ビットコイン、テック株"総崩れ"を尻目に爆騰! 1064万円突破で「1138万円」到達は秒読みか――それでも強気筋がビビり続ける"不都合な真実"

マーケット公開日2026年7月21日

AI相場に暗雲、名門テック株が軒並み急落するなか、暗号資産の雄・ビットコインだけが逆行高。ついに1コイン1064万円の壁に迫った。だが、デリバティブ市場を覗けば、百戦錬磨のプロたちは"次の大台"にちっとも乗り気じゃない――。市場の水面下でうごめく「巨鯨」たちの本音と、トランプ大統領のイラン報復宣言が呼ぶ波乱。強気と弱気が交錯する暗号資産相場の"今"を、数字で徹底解剖する。

この一週間、暗号資産の王者ビットコイン(BTC)が、意地を見せた。6万5500ドル(約1064万円)の壁こそ抜けなかったものの、相対的な底堅さは際立っていた。

何より注目すべきは、ビットコインが従来型マーケットと"手を切った"ことだ。AI分野の過熱ぶりに投資家がビビり、メモリーチップ大手の株を投げ売りするなか、ビットコインは涼しい顔で独歩高を演じてみせたのである。

とはいえ、デリバティブ指標をじっくり見れば話は別だ。凄腕トレーダーたちは、7万ドル(約1138万円)への上昇に、さほど自信を持ってはいない――。

プロの本音は「年率8%」に透けて見える

暗号資産情報会社レイヴィタスによれば、月曜時点でビットコインの無期限先物(パーペチュアル)の年率ファンディングレートは、中立の8%どまり。一週間前とほぼ横ばいだった。

強気のレバレッジ需要が過熱すると、この数字は12%を超えてくる。直近でそれが起きたのは7月10日のこと。今回、トレーダーたちが妙に冷めているのは、テック株暴落の"飛び火"を警戒してのことか、それともイラン情勢が影を落としているのか。真相は藪の中だ。

Bitcoin perpetual futures annualized funding rate. Source: Laevitas

ナスダック沈没、それでもBTCは週末に反撃

ハイテク銘柄がひしめくナスダック100指数は、金曜に2万8800の節目を5週間ぶりに割り込んだ。ところがビットコインは週末に力強さを見せ、月曜にはついに6万5000ドル(約1056万円)を突破してみせる。

追い風となったのが、暗号資産保有企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー)の"資金調達成功"だ。同社は前週、普通株の売却で2億6300万ドル(約427億円)の現金確保に成功。「ビットコインが投げ売りされるのでは」という市場の不安を、ひとまず鎮めた格好だ。

Nasdaq-100 futures (left) vs. Bitcoin/USD (right). Source: TradingView

5000億円の"爆弾"を抱えるストラテジーの台所事情

投資家が気を揉んでいたのには、ワケがある。ストラテジーは優先永久株の株主に対し、年17億6000万ドル(約2859億円)もの配当支払いを抱えている。加えて、2028年と2029年に満期を迎える転換社債が26億ドル(約4225億円)分。とんでもない額だ。

そこで同社は現金準備を32億2000万ドル(約5233億円)まで積み増し、バランスシートに眠る"含み損状態のビットコイン"がもたらす不透明感を、なんとか払拭しようと必死なのである。

Bitcoin 30-day options delta skew (put-call) at Deribit. Source: Laevitas

「巨鯨」と「マーケットメーカー」は下落に賭け続ける

暗号資産デリバティブ取引所デリビットのデータでは、月曜時点のビットコイン30日物オプションのデルタスキューは13%。これはプット(売り)がコール(買い)に対してプレミアム付きで取引されている、つまり"下げ警戒"の証拠だ。

中立ならこの数字はマイナス6%からプラス6%の間に収まるはず。前週の19%からいくらか改善したとはいえ、大口投資家=「巨鯨(ホエール)」やマーケットメーカーたちは、依然として下落リスクを抱え込むのを露骨に嫌がっている。

AI株の崩落が招いた"リスク回避"ムード

AI関連株の総崩れは、投資家をますます臆病にさせた。アイ・ビー・エム、サンディスク、オラクル、アーム、スペースX、そしてインテル――名だたる銘柄の株価が軒並み急落し、その裏で米5年国債利回りが跳ね上がった。

国債を持つのに高いリターンを要求し始めたトレーダーたち。これは、財政赤字問題を背景に、さらなる金融緩和が来るとの読みが広がっている証左だ。

Gold/USD (left) vs. US five-year Treasury yield (right): Source: TradingView

金までもが下落――「安全資産なき」時代の到来か

米5年国債利回りは月曜に4.33%まで急騰。2週間前の4.22%から上昇した。

不気味なのは、あの"安全資産の代名詞"たる金(ゴールド)まで、5月中旬から下落トレンドに入っていることだ。世界経済の減速懸念と、中東の地政学リスク――この二つの前では、もはやどんな資産クラスも無傷ではいられない、というわけである。

トランプ「イランに報復する」――波乱の号砲

そして月曜、事態は一気に緊迫する。ドナルド・トランプ米大統領が、ヨルダンで米兵の命を奪ったミサイル攻撃をめぐり、イランへの報復を宣言。リスク資産は一斉に警戒モードへ突入した。

そんな一触即発の状況下でも、ビットコインは6万5500ドル(約1064万円)へと駆け上がった。マネタリーベース拡大の兆しを背に、従来の金融市場との"完全なる決別(デカップリング)"を、いよいよ現実味を帯びさせている。

デリバティブ市場に強気ムードは乏しい。だが――もし企業決算、とりわけAIセクターの業績が期待外れに終われば。7万ドル(約1138万円)への大相場に火がつく可能性は、決して小さくないのである。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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