
ベッセント米財務長官、ビットコイン国家備蓄「全力で推進中」——暗号資産市場明確化法も「可決願う」
スコット・ベッセント米財務長官は水曜日、上院財政委員会の公聴会で、財務省が「戦略的ビットコイン準備金」と「デジタル資産備蓄」の創設に向けて作業を進めていると明らかにした。

トランプ政権の暗号資産政策が、いよいよ「構想」から「実行」の段階に入ろうとしている。
スコット・ベッセント米財務長官は水曜日、上院財政委員会の公聴会で、財務省が「戦略的ビットコイン準備金」と「デジタル資産備蓄」の創設に向けて作業を進めていると明らかにした。
これは、ドナルド・トランプ大統領が2025年に出した大統領令を受けたものだ。あれから1年以上。米政府が押収した暗号資産をもとに準備金を整備する計画は、ワシントンの政策課題として静かに、しかし着実に動き出していた。
「われわれは、熟慮を重ねながら、可能な限り速やかに進めている」
ベッセント長官は、共和党のティム・スコット上院議員からの質問にそう答えた。
「戦略的ビットコイン準備金は、われわれのデジタル資産イニシアチブの一部だ。これは新しい技術であり、新しい領域でもある。複雑なプロセスの中で、将来にわたって耐えうる制度となるよう、ベストプラクティスを用いながら進めている」
この日、ベッセント長官が出席したのは、財務省の2027会計年度予算をめぐる上院財政委員会の公聴会だった。委員会の公式日程でも、6月3日に「財務省の2027会計年度予算」に関する公聴会が開かれたことが確認できる。

Scott Bessent testifying at Wednesday hearing. Source: US Senate Finance Committee
現在、米政府は準備金として32万8372BTCを保有しているとされる。評価額は記事公開時点で約2150億ドル、日本円で約34兆4000億円にのぼる。もともとは政府が押収した暗号資産で構成されており、少なくとも3月時点では、財務省に追加購入の計画はなかった。
ただ、トランプ大統領令を議会で法制化しようとする動きも出ている。連邦レベルの制度化を待たず、テキサス州のように州管理の暗号資産準備金を創設する法律をすでに成立させた地域もある。
一方で、ベッセント長官は、米国とイスラエルによる対イラン戦争が2月に始まって以降、イランから押収されたとされる10億ドル、日本円で約1600億円相当のデジタル資産が、この準備金に含まれているかについては言及しなかった。
イランをめぐっては、ホルムズ海峡を安全に通航したい船舶から、ビットコインで「通行料」を徴収していたとも報じられている。
CLARITY法案、今夏にも上院通過か
公聴会では、もう一つの焦点にも話が及んだ。
暗号資産市場のルール整備を目的とする「デジタル資産市場明確化法案」、通称CLARITY法案である。
この法案は、すでに下院を通過してから約1年が経っている。現在は上院で審議中だ。上院銀行委員会と農業委員会は、それぞれ証券法と商品法の観点から独自案を通しているが、本会議で採決するには、これらを一本化する必要がある。
ベッセント長官は、マイク・クラポ上院財政委員長からの質問に対し、こう語った。
「議会はステーブルコイン法案を通過させた。CLARITY法案についても、私は全員に支持を促したい。米国のベストプラクティスを国内に取り戻すために、これは極めて必要な法案だ」
そのうえで、同法案について、政権としては今夏中の上院通過を目指していると述べた。

Event contract on CLARITY Act timeline. Source: Polymarket
ホワイトハウスの暗号資産担当アドバイザー、パトリック・ウィット氏は5月、トランプ大統領が7月4日の署名式を目標にしていると語っていた。一方で、一部の上院議員は、成立時期については8月前になるとの見方を示している。コインデスクも5月、ホワイトハウスがCLARITY法案の7月4日通過を目標にしていると報じている。
米国は、暗号資産を「野放し」にするのではなく、国家の管理下に置き、金融インフラとして取り込もうとしている。
ビットコイン準備金とCLARITY法案――。その二つが同時に動き始めたことで、暗号資産をめぐる米国の政策は、明らかに新しい局面に入った。
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