
【131億円を一瞬で凍結】米国がイラン中銀の暗号資産を“強制ロック”…テザー凍結で戦争マネー封じ込めへ
米国財務省がイラン中央銀行に関連する約1億3100万ドル(約193億円)相当の暗号資産を凍結したことを公表した。停戦崩壊で中東情勢が再び緊迫するなか、米国は暗号資産を巡る金融制裁を一段と強化。テザー(USDT)の発行元も協力し、イランの資金網を締め上げている。

米国のスコット・ベッセント財務長官は15日、イランに関連する暗号資産ウォレットに保管されていた**1億3100万ドル(約193億円)**を凍結したと明らかにした。中東で軍事的緊張が再び高まる中、米国がイランの資金源を断つため、暗号資産への圧力をさらに強めた格好だ。
この日、ブロックチェーン調査員「スペクター」は、ステーブルコイン発行会社テザーが、TRON(トロン)上の4つのウォレットを凍結したことをオンチェーンデータから確認した。対象ウォレットには1億3100万USDTが保有されており、ベッセント長官はその後、これらのウォレットがイラン中央銀行と関係しているとX(旧Twitter)で認めた。
ベッセント長官は声明で、
「米財務省は、デジタル資産を悪用したものも含め、イランの違法な金融活動を妨害・弱体化させることに全力を尽くす」
と強調。
さらに、
「資金の流れを徹底的に追跡し、イラン政権が違法な収益へアクセスできないよう積極的な措置を続ける」
と述べ、今後も暗号資産を利用した資金移動への取り締まりを強化する姿勢を示した。
停戦崩壊で金融制裁も激化
今回の資産凍結は、米国とイランの停戦が事実上崩壊したタイミングで実施された。
米国はイラン港湾への封鎖を再開し、米中央軍(CENTCOM)はイランへの新たな攻撃を発表。一方、イラン軍はヨルダンのアル・アズラク空軍基地にある米軍施設へドローン攻撃を実施したと主張している。軍事衝突と金融制裁が同時に激化する構図となっている。

Source: Scott Bessent
テザーは以前にも344億円超を凍結
テザーが米当局の要請に応じて大規模なウォレット凍結を行うのは今回が初めてではない。
2026年4月には、同社は3億4400万ドル(約506億円)相当のUSDTを凍結したことを公表。その後、米財務省はこれらの資産がイラン関連だったと説明している。
さらにベッセント長官は5月、2025年3月に開始した対イラン経済圧力作戦「オペレーション・エコノミック・フューリー」の成果として、米国が約10億ドル(約1470億円)相当のイラン関連暗号資産を押収したと明らかにしていた。
「戦争マネー」を暗号資産から断つ狙い
ベッセント長官は6月の声明でも、「オペレーション・エコノミック・フューリー」を通じて、イラン軍が兵器を調達するための海外ネットワークを遮断していると説明した。
同長官は、
「財務省はイラン政権の資産を凍結し、経済へ深刻な打撃を与え、戦争遂行能力を弱体化させてきた。イラン軍を支援するいかなる行為も容認しない」
と述べ、暗号資産を含む金融インフラそのものを制裁対象としていく方針を改めて示している。

