決済大手ペイパルは、自社の米ドル連動ステーブルコイン「ペイパルUSD(PYUSD)」の提供範囲を拡大し、米国と英国に加えて新たに68の市場で利用可能にする。
同社は火曜日の発表で、2026年3月よりPYUSDを世界70カ国のユーザーに提供し、受け取り・保有・送金が可能になると明らかにした。
今回の拡大により、PYUSDはアジア太平洋、欧州、中南米、北米など複数地域のペイパルアカウント保有者に提供される。これまでは米国と英国のユーザーのみがステーブルコインを保有できた。
ペイパルの仮想通貨部門責任者メイ・ザバネ氏は「70の市場でユーザーアカウントにPYUSDを導入することで、資金へのアクセスが迅速になり、国境を越えた送金コストが低下し、グローバル経済への参加がより直接的になる」と述べた。
報酬付与をじt
PYUSDの利用拡大に伴い、新たに対応した市場のユーザーはステーブルコイン保有に対する報酬も得られるようになる。また、第三者のデジタルウォレットへの送金にも対応する。
現在、ペルーなど一部の国では、ユーザーは自国通貨でのみ資金を引き出すことができ、国際送金には手数料が発生する。今回のアップデート後は、ユーザーは米ドルのまま資金を送受信・保有でき、送金コストを抑えることが可能となると、ザバネ氏はフォーチュンのインタビューで語った。
またマラウイなど一部の国では、送金資金をペイパルウォレット内に保持することができず、即座に受取人の銀行口座へ送金される仕組みとなっている。PYUSDの導入により、ユーザーは資金をウォレット内に保持できるようになる。
ザバネ氏は「これにより、アカウントにおける残高という概念と、そこから収益を得る仕組みが実現される」と述べた。
PYUSDはパクソスが発行、ペイパルが流通
今回の拡大は、ペイパルが2023年8月に発行元パクソス・トラストと連携してPYUSDを開始してから約3年後にあたる。
CoinGeckoのデータによると、PYUSDは現在、時価総額約41億ドルで世界第7位の米ドル連動ステーブルコインとなっている。

PYUSDは2025年に大きく成長し、時価総額は年初の約5億ドルから年末には36億ドルへと、約600%増加した。
コインテレグラフは今回の拡大についてペイパルにコメントを求めたが、記事公開時点では回答は得られていない。

