
予測市場はギャンブルなのか ケンタッキー州がポリマーケットとカルシを提訴
ケンタッキー州は、州内でスポーツイベント契約を提供していたとして、ポリマーケット、カルシ、さらにカルシの提携先であるコインベース、ロビンフッド、ウィーブルを提訴した。

米ケンタッキー州が、カルシやポリマーケットを含む5つの予測市場プラットフォームを相手取り、訴訟を起こした。スポーツ関連のイベント契約をめぐり、米各州が予測市場に法的な包囲網を敷き始めるなか、また一つ火の手が上がった格好だ。
同州のラッセル・コールマン司法長官は水曜日の声明で、州裁判所にポリマーケットとカルシを提訴したと発表した。訴えの対象には、カルシの提携先であるコインベース、ロビンフッド、ウィーブルも含まれている。州側は、これらの企業が「無免許かつ違法なスポーツ賭博・ギャンブルプラットフォーム」を運営していると主張している。
「カルシとポリマーケットは、ケンタッキー州で違法なスポーツブックを運営し、わが州の法律を破っている」とコールマン氏は言う。
さらに同氏は、こうまくし立てた。
「これらの数十億ドル規模の大企業と、その法的な詭弁は、どうにも臭う。州議会のリーダーの一人がうまく言った通りだ。『アヒルに見えて、アヒルのように鳴くなら……』という話である」
トークン・ターミナルによれば、カルシとポリマーケットの月間取引高は5月に合計250億ドル、円換算で約4兆円に達した。複数の州からの訴訟は、両社を米国最大級の市場の一部から締め出すリスクをはらんでいる。

Kentucky Attorney General Russell Coleman gives a speech in April. Source: YouTube
予測市場の運営会社を裁判に引きずり出した州は、少なくとも他に17州ある。この問題には、米商品先物取引委員会、いわゆるCFTC、さらにはホワイトハウスまで関与する事態となっている。
複数の州当局は、スポーツに紐づくイベント契約は実質的にスポーツ賭博であり、州レベルの免許が必要だと主張している。一方、予測市場側は、自社が扱うイベント契約は連邦の商品法の下で規制されるスワップである、という立場を取っている。
この見解を後押ししているのがCFTCだ。CFTCは、予測市場に対して措置を取った8州を相手に訴訟を起こし、各州がCFTCの権限を侵害していると主張している。
ケンタッキー州の訴状によれば、ポリマーケット、カルシ、そしてその提携先は、「ケンタッキー州のゲーミング免許を取得せず、州の規制にも従わないまま事業を行っている」。さらに、これらのスポーツイベント契約は、ケンタッキー州法における「スポーツ賭博」の定義に「真正面から該当する」としている。
州側はまた、各プラットフォームが、ギャンブル依存の問題を抱える利用者が自らの状態を認識したり、支援を求めたりするための手段を「ほとんど、あるいはまったく」提供していないとも訴えている。州法では、こうした支援体制が求められているという。
ポリマーケットの広報担当者はコインテレグラフに対し、ケンタッキー州の措置は「予測市場を規制するCFTCの確立された枠組みに反するものだ」と述べた。
「われわれは、適切な法的手続きを通じて、これらの主張に対応していく」と同担当者は語った。
カルシの広報担当ジャッキー・マクガヴィック氏も、コインテレグラフにこう述べている。
「カルシは連邦規制下の取引所であり、われわれの規制当局はCFTCであって、州ではない。裁判所はすでにこの点を認めており、今回も同様の判断が下されると確信している」
CFTCは、コメント要請にただちには応じなかった。
カルシとポリマーケットは、プラットフォーム連合を通じ、すでにケンタッキー州との法廷闘争に巻き込まれている。両社は金曜日、同州を相手取り、予測市場の取引手数料に14.25%の税を課す全米初の制度について、差別的であり連邦法の権限を逸脱しているとして提訴していた。
今回のケンタッキー州の動きに先立ち、モンタナ、ネバダ、ユタ、アイオワ、イリノイ、オハイオ、テネシー、ニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、メリーランドの各州当局は、予測市場に対して業務停止命令を出していた。その後、今度はプラットフォーム側が各州を提訴する展開となっている。
さらに、ワシントン、アリゾナ、ニューメキシコ、ウィスコンシン、ミシガン、マサチューセッツ、そしてケンタッキーも、カルシを含む予測市場プラットフォームを相手に訴訟を選んだ。
こうした法廷闘争の一部は、すでに控訴裁判所にまで進んでいる。ただし、結果は割れている。
水曜日には、ミシガン州の連邦判事がポリマーケットによる同州への訴訟で、ポリマーケット側に不利な判断を下した。判事は、同社のスポーツイベント契約はCFTCの権限下にあるスワップには当たらないと判断した。
一方で、予測市場側に軍配を上げた裁判所もある。たとえば、第3巡回区控訴裁判所は4月、ニュージャージー州の規制当局がカルシによる同州内でのスポーツイベント契約の提供を阻止することはできない、との判断を示した。
ドナルド・トランプ米大統領も、この問題に口を挟んでいる。なお、息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏はポリマーケットの諮問委員会メンバーであり、カルシのアドバイザーでもある。
トランプ氏は5月、「予測市場に対するCFTCの排他的な権限が維持されることは、極めて重要だ」と述べていた。
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