スイス規制下の仮想通貨銀行アミナは、欧州連合(EU)の「DLTパイロット・レジーム(分散型台帳技術試行制度)」の下で運営されるトークン化証券の決済プラットフォームに参画した。デジタル資産インフラと伝統的な資本市場の統合に向けた新たな一歩となる。
スイスのツークに拠点を置く同社は月曜日、EU規制下のプラットフォーム「21X」のリスティング・スポンサー(上場支援機関)に就任したと発表した。アミナは、同市場における初の完全規制対象銀行の参加者となる。
アミナによれば、今回の動きにより、ルクセンブルクのトークン化技術プロバイダーであるトークニー(Tokeny)との提携を通じて、21X上でトークン化証券を発行する企業を支援することが可能になる。
この提携は、規制対象の銀行をトークン化証券の発行および取引に結びつけることで、機関投資家によるトークン化資産採用の大きな障壁を解消することを目指している。
21Xは2024年12月、EUのDLTパイロット・レジームに基づきインフラ許可を取得した。これにより、規制上のテスト環境(サンドボックス)において、ブロックチェーン基盤の証券規制市場を運営することが可能となっている。
法律事務所ベーカー&マッケンジー(Baker McKenzie)の欧州金融サービス部門は6月、金融機関の間でトークン化が普及するための主な障害の一つとして「トークン化資産プラットフォーム間の相互運用性の欠如」を挙げていた。同事務所チューリッヒ支合のパートナー、イヴ・マウフレ氏はブログで、「規模の拡大は、多数の市場プレーヤーが共通の、あるいは相互接続されたプラットフォーム上で取引を行うようになって初めて達成される」と指摘している。
2023年に導入されたDLT枠組み(パイロット・レジーム)は、市場運営者が規制サンドボックス内で、金融商品のブロックチェーンによる取引や決済を試験的に行うことを認めるものだ。このプログラムは、規制当局がこの技術を既存の市場インフラにどのように適合させることができるかを評価することを目的としている。
初期の段階ではあるものの、業界関係者からはこの制度に対して厳しい見方もあり、現在の制限(取引規模の上限など)が欧州のオンチェーン市場の拡大や他国との競争を妨げる可能性があるとの警告も出ている。アミナのような規制対象銀行の参画が、採用を加速させる一助となるかは依然として不透明だ。
RWAの力強い成長
今回の展開は、金融機関がトークン化資産のためのブロックチェーン・インフラへの投資を強化している中で起きた。米国では、BNYメロン、ナスダック、S&Pグローバルなどが最近カントン・ネットワーク(Canton Network)の拡大を支援した。一方、欧州では21Xのような規制下のブロックチェーン取引所がEUのDLTパイロット・レジームの下で試験運用されている。
2月には、EU規制下のデジタル資産関連企業8社が、このままでは欧州がトークン化金融市場の発展において米国や他国に遅れをとるリスクがあるとして、デジタル資産法制の加速を政策立案者に求めた。

明るい兆しも見えている。9月、仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)は、米国上場株式のブロックチェーン版を提供する「xStocks」プラットフォームを通じ、欧州ユーザー向けにトークン化証券の取引を開始した。

