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William SubergライターCharles Bennett監修編集者

ビットコイン、1000万円の壁で足踏み続く……その裏で「金」が中国マネーに乗って独り勝ち

マーケット公開日2026年8月6日

NY株式市場でS&P500種指数が史上最高値を更新する中、ビットコイン(BTC)だけが2日連続で完全に蚊帳の外。1BTC=6万4000ドル(約1010万円)近辺から動けない一方、地味な"オールドマネー"こと金(ゴールド)は中国マネーの猛烈な流入を追い風に、1オンス4200ドル台(約66万円)へと6週間ぶりの高値を更新した。この明暗を分けたものは何か。

8月5日(水)のウォール街取引開始時点、ビットコインは、前日に続いて完全な"凪"状態にあった。トレーディングビューのデータによれば、1BTC=6万4000ドル(邦貨換算で約1010万円)近辺での小動きが継続。一方でニューヨーク株式市場と金相場は対照的に上昇基調を強めており、「リスク資産の優等生」であるはずのビットコインが、なぜか蚊帳の外に置かれる異例の展開となっている。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

中国の"実物資産回帰"で金が6週間ぶり高値

主役は、暗号資産ではなく昔ながらの安全資産・金(ゴールド)だった。この日の金相場は前日比2.8%高の1オンス=4213ドル(約66万4000円)まで上昇し、6月22日以来およそ6週間ぶりの高値を記録。押し上げた最大の要因は、中国勢による猛烈な買い需要だ。ブルームバーグの報道によれば、中国国内の金連動型ETF(上場投資信託)には14営業日連続で資金が流入し続けているという。

China gold ETF inflows data. Source: Bloomberg

もっとも、この流れは一本調子だったわけではない。ワールド・ゴールド・カウンシルの集計では、中国の金ETFは今年6月に過去最悪級の資金流出を記録したばかりだった。年初来の中国ETFへの流入額はいったん400億元(邦貨換算で約8831億円)まで落ち込んだものの、それでも上半期(1〜6月)の実績としては歴代2位の高水準を維持している。

同カウンシルは、地政学リスクと先行き不透明な経済情勢を背景に金ETFへの根強い需要が続いていると分析。さらに中国人民銀行(PBoC)がここ20カ月で82トンにも及ぶ金を買い増し続けていることが、相場全体の下支え役を果たしていると指摘する。機関投資家による中国の金ETFへの参加も拡大しているといい、"官民一体"の金買いが相場を押し上げている構図が浮かぶ。

NY株は最高値圏、S&P500は7793ドル突破

金だけではない。米国株市場も強含みで推移し、S&P500種指数は一時7793ドル超まで上昇して史上最高値を更新(その後、午後の取引でやや伸び悩む場面も)。ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏によれば、S&P500構成銘柄のうち66%が50日移動平均線を上回る水準にあり、57%が指数の標準的なベンチマークを上回るパフォーマンスを見せているという。株式市場全体の地合いは、まぎれもなく強気に傾いている。

S&P 500 one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

ビットコインだけが取り残される理由

それなのに、なぜビットコインだけが上がらないのか。株式市場に広がる楽観ムードに、ビットコインは前日に続いてまったく追随できていない。目先の値動きでは6万4000ドル(約1010万円)というラインが引き続き意識されており、市場参加者の間では「今の弱気相場はまだ終わっていない」という見立てが根強く残る。

トレーダーとして知られる分析者・レクト・キャピタル氏はX(旧ツイッター)で、週足のBTC/USDチャートを示しながら、現在サポートとして機能しているゾーンで反発力が弱まり続ける限り、高値を切り下げながら5万8000ドル〜6万6000ドル(約915万円〜1041万円)のレンジ内へと一段安となる展開もあり得ると警戒感を示した。

オンチェーン分析を手がけるクリプトクアントも4日、ビットコイン相場が持続的に反発するための3条件を提示するレポートを発表している。1つ目は米国上場の現物ビットコインETFへの資金流入が続くこと。2つ目は米国債利回りが低下すること。3つ目はFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が後退することだという。

さらに、コインベースとバイナンスにおけるBTC/USDT建て価格の差である「コインベース・プレミアム」がプラス圏に回復することも重要な条件だとクリプトクアントは6月の分析を踏襲する形で改めて指摘した。この指標は、コインテレグラフが最近報じた通り、すでに80日近くマイナス圏が続いている状態だ。

なお、オンチェーン分析大手グラスノードは別のリポートで、複数のビットコイン価格指標を組み合わせたバスケット指数が、FTX破綻以来最長となる"降伏"局面(投資家の売り込みが続く状態)に入っていると指摘しており、市場心理の弱さを裏付けている。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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