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William SubergライターCharles Bennett監修編集者

ビットコイン価格が約1266万円に急騰 この上昇は本物か?今週わかる「5つの重要ポイント」

マーケット公開日2026年8月25日

ビットコインは5月中旬以来の高値圏に浮上し、弱気相場の“天井”とされる50週移動平均線を突破した。米連邦準備制度理事会(FRB)のジャクソンホール会合、米インフレ指標、ETFへの資金流入――相場はいま、上昇継続か再下落かの重大局面を迎えている。

ビットコイン(BTC)は8月最終週、5月中旬以来の高値圏でスタートした。

弱気相場からの“復活劇”は、いよいよ正念場を迎えている。

今週の5つのポイント

  • ビットコインの週足終値が、2025年11月以来初めて50週指数平滑移動平均線(EMA)を上回った
  • 8月としては約10年ぶりの大幅上昇となり、多くの投資家が含み益に復帰。「新規資金」の損益分岐点は7万3000ドル(約1161万円)に上昇した
  • ジャクソンホール経済シンポジウムを前に、FRBのケビン・ウォーシュ議長へ視線が集中している
  • 市場が米財務省による国債買い戻しの余波を見極めるなか、米個人消費支出(PCE)価格指数が水曜日に発表される
  • ビットコインETFへの資金が戻り、先週の純流入額は19億ドル(約3023億円)に達した

ビットコイン、重要な抵抗線をギリギリ突破

ビットコインは先週、7万9550ドル(約1266万円)まで上昇した。5日間にわたる上昇で最大27%の値上がりを記録し、5月初旬以来の高値をつけた。

トレーディングビューのデータによると、ビットスタンプにおけるBTC/USDの週足終値は7万7727ドル(約1237万円)だった。

この終値には大きな意味がある。現在7万7752ドル(約1237万円)付近に位置する50週EMAを、ついに奪還したからだ。

50週EMAは、ビットコインが弱気相場にあるとき、トレーダーが必ずといっていいほど注目する重要なラインだ。週足終値がこの抵抗線を上回ったのは、2025年11月初旬以来となる。

ただし、手放しでは喜べない。

過去の弱気相場では、ビットコインが50週EMAまで一度戻したあと、最終的な長期安値へ向かって再び急落するケースがあった。このため、先週の力強い上昇を見ても、なお疑いの目を向けるトレーダーは少なくない。

BTC/USD one-week chart with 50 EMA. Source: Cointelegraph/TradingView

週足が確定する前、暗号資産トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタルは警告を発していた。

強気派が突破しなければならないのは50週EMAだけではない。8万ドル(約1273万円)前後の一帯そのものが巨大な抵抗帯であり、現時点の高値はまだそこに届いていないという。

「これまでの弱気相場における自律反発では、力強く上抜けた翌週に、いずれも急激な反落が起きている」

レクト・キャピタルはXへの分析で、そう指摘した。

「今後数週間が重要になる。いや、ビットコインがこの高値圏を維持できるかどうかは、早ければ来週にも判明するかもしれない」

同氏が添付したチャートには、長期的な高値が段階的に切り下がる「マクロな安値切り下げ」ならぬ“高値切り下げ”の形が示されている。足元の上昇にもかかわらず、弱気相場が続いている可能性を裏付ける形だ。

BTC/USD one-week chart. Source: Rekt Capital on X.com

コインテレグラフはこれまで、2026年の相場が過去の弱気相場と似た展開になるとの見方を報じてきた。時期的に最も似ているのは2022年だという。

レクト・キャピタルは、さらにこう付け加えた。

「歴史が繰り返されるなら、ビットコインは2027年に9万3000ドル(約1480万円)へ可能な限り接近しようとするだろう。ただし、その前に弱気相場の底打ちと、長期下降トレンドの突破を完全に確認する必要がある」

9年ぶりの「最強の8月」になるか

ビットコインは週末に入って上昇が一服した。本稿執筆時点では7万7500ドル(約1233万円)前後で推移している。

それでも8月に入ってからの上昇率は22%。コイングラスのデータによると、8月としては2017年以来、9年ぶりの好成績だ。

BTC/USD monthly returns (screenshot). Source: CoinGlass

今回の上昇によって、週足は複数の重要価格を回復した。

その一つが、短期保有者(STH)の平均取得価格である6万8700ドル(約1093万円)だ。短期保有者とは、UTXOを155日未満保有しているウォレットを指す。

オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアントは、この結果、短期保有者の含み益率が11%強まで回復したと算出している。

同社は月曜日のレポートで次のように説明した。

「同時に、長期保有者の収益率はほぼ損益ゼロの状態からプラス18.5%へ上昇した。新規資金の収益率もマイナス1.4%からプラス12.7%へ改善している」

ただし、ここにも落とし穴がある。

UTXO全体の取得価格を分析すると、いわゆる「新規資金」の損益分岐点は現在7万3000ドル(約1161万円)にある。これは短期保有者と長期保有者、双方の平均取得価格を上回る水準だ。

言い換えれば、最近参入した投資家ほど高値でビットコインを買っている。BTC/USDが反落し、新たな支持線を探す展開になった場合、下落に耐えられる余裕はそれだけ小さい。

クリプトクアントはこう結論づけた。

「したがって、6万8000~7万3000ドル(約1082万~1161万円)が注目すべき重要な価格帯になる。この水準を維持できれば、投資家の収益性回復が構造的に定着しつつあると判断できる。反対に割り込めば、最近購入した投資家のかなりの部分が、たちまち含み損へ転落する」

Bitcoin UTXO distribution by cohort age (screenshot). Source: CryptoQuant

ジャクソンホールで問われるウォーシュ議長の「本音」

今週、市場の視線はFRBとケビン・ウォーシュ議長に釘付けとなる。

世界70カ国以上の中央銀行関係者が集まる、恒例のジャクソンホール経済シンポジウムが始まるからだ。

ウォーシュ氏にとっては、FRB議長就任後初めての基調講演となる。公の場で発言するのも、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に開かれた記者会見以来だ。

同氏はこれまで金融政策、とりわけ今後の金利変更について口を閉ざしてきた。

だが、金利は暗号資産をはじめとするリスク資産の価格を大きく左右する。最近発表されたインフレ指標は、今後の金融政策を緩和しやすい内容だった。一方、米国とイランの戦争に伴う原油価格急騰のリスクが消えず、市場は警戒を解いていない。

CMEグループのフェドウォッチ・ツールによると、9月のFOMC後も政策金利が現在の3.50~3.75%に据え置かれる確率は63.1%となっている。

Fed target-rate probability comparison for September FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group

マッコーリー・グループで為替・金利戦略を担当するティエリー・ウィズマン氏は先週、CNBCに対し、ウォーシュ議長は難しい綱渡りを迫られていると指摘した。

米財務省の影響力を考慮しながら、FRBによる市場への関与を縮小するという自身の構想も進めなければならないためだ。

「ウォーシュ氏が今後も無期限にハト派姿勢を維持すると示唆すれば、本人と財務省の双方にとって逆効果になりかねない。期待インフレ率がさらに上昇し、スコット・ベッセント財務長官が実現しようとしている長期名目金利の安定を崩す可能性がある」

バー・チャートなどが引用したバンク・オブ・アメリカのファンドマネジャー調査では、11月の米中間選挙まで利上げが行われない確率は72%に達した。

今後12カ月の経済については、力強い成長と低い失業率を維持しながら景気後退も回避する「ノーランディング」シナリオが市場の中心予想となっている。

米財務省の国債買い戻しで「イールドカーブ・コントロール」説が再浮上

地政学だけではない。

先週、市場を最も大きく動かしたのは、米財務省が国債の買い戻し額を1回あたり40億ドル(約6364億円)へ、少なくとも従来の2倍に引き上げると発表したことだった。

この発表をきっかけに、ビットコインでは売り方の買い戻し、いわゆるショートスクイーズが発生。わずか2日間で、過去最大となる31億ドル(約4932億円)相当の暗号資産ショートポジションが清算された。

反応の大きさから、市場では一つの見方が浮上している。

世界的に政府債務の調達コストが上昇するなか、ビットコインが再び「世界の流動性ルールが変わる瞬間」を先回りしているのではないか、というのだ。

モザイク・アセット・カンパニーは定期ニュースレター『ザ・マーケット・モザイク』最新号でこう解説した。

「今回の介入によって、金やビットコインなど流動性見通しに敏感な資産が上昇した。金利を抑制するため量的緩和のような政策が復活すれば、通貨価値が薄まるのではないか――市場がそう懸念していることを示している」

モザイクは、今回の対応が単なる流動性供給ではなく、イールドカーブ・コントロール(YCC)の一種だと主張する。追加買い戻しの費用を賄うため、短期国債が発行されるからだ。

暗号資産市場の論客たちは以前から、政府の財政破綻を防ぐには、遅かれ早かれYCCが避けられないと予想してきた。

暗号資産取引所ビットメックスの元CEO、アーサー・ヘイズ氏は2022年のブログで、こう予測していた。

「YCCこそが最終局面だ。暗黙であれ明示的であれ、YCCが宣言された瞬間、金、そして何よりビットコインに対する米ドルの価値は終わる」

「YCCによって、ビットコインは100万ドル(約1億5910万円)、金は1万~2万ドル(約159万~318万円)へ向かう」

FRBが最も重視するインフレ指標も発表

ウォーシュ議長の登壇前日には、市場の空気を一変させかねない重要な米経済指標が発表される。

水曜日に公表される7月の個人消費支出(PCE)価格指数だ。PCEは、FRBが「最も重視する」インフレ指標として知られている。

6月には、2020年以来初めて前月比で低下した。

市場予想では、7月は前月比0.1%の上昇。前年同月比では、6月の3.7%から3.6%へ伸びが鈍化するとみられている。

PCE index one-month % change (screenshot). Source: US Bureau of Economic Analysis

ビットコインETFに19億ドル――10カ月ぶりの資金流入

暗号資産ファンドへの資金流入は、価格変動に極めて敏感だ。

先週、米国の現物ビットコインETFへの資金流入が大きく膨らんだ。

関連記事:ブラックロック「12万6000ドルから50%下落する前の過熱感は、おおむね解消された」

英国の投資会社ファーサイド・インベスターズによると、米国の現物ビットコインETFには、先週の5営業日で合計19億ドル(約3023億円)が流入した。

週間流入額としては、ビットコインが史上最高値の12万6200ドル(約2008万円)を記録した2025年10月以来、10カ月ぶりの規模だ。

特に好調だったのは木曜日だ。

BTC/USDが7万ドル(約1114万円)を突破するなか、ブラックロックのETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」だけで5億ドル超(約796億円超)の純流入を記録した。

暗号資産取引所OKX SGのグレイシー・リンCEOは、ブルームバーグにこう語った。

「先週はすべての取引日で純流入が確認された。ビットコインに対する投資家の関心が再び高まっていることを示している」

ただし、同氏は釘も刺した。

「問題は、この勢いが続くかどうかだ。ビットコインがこれほど大きく上昇した以上、利益確定売りが出ても不思議ではない」

US spot Bitcoin ETF netflows (screenshot). Source: Farside Investors

わずか2カ月前とは、まるで別世界である。

6月には、過去最大となる45億ドル超(約7160億円超)の純流出が起きていた。

ところが先週末時点で、8月の純流入額は23億8000万ドル(約3787億円)に到達。年初来で最大の月間流入額を記録した。

上昇は本物なのか。それとも、弱気相場が仕掛けた最後の罠なのか。

答えを握るのは、6万8000~7万3000ドルの支持帯、ウォーシュ議長の一言、そしてETFへ流れ込む巨額マネーだ。ビットコインにとって、8月最後の1週間は“運命の週”となりそうだ。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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