
ビットコイン7.7万ドル割れで週開始 CLARITY法案とFRB利上げが焦点
ビットコイン(BTC)は9月第3週、重要な週足サポートを下回った状態で取引を開始した。今週は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ判断に加え、米上院による暗号資産市場構造法案「CLARITY法」の採決が予定されている。BTCは先週、50週移動平均線を下回って週を終えた一方、RSIでは強気のダイバージェンスが続いている。

ビットコイン(BTC)が9月第3週を、重要なサポート水準を下回った状態で迎えた。
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ判断と、米上院による暗号資産市場構造法案「CLARITY法」の採決が相次ぐ。市場では、これらを前に値動きが荒くなる可能性が意識されている。
トランプ氏の圧力でもFRBは利上げか
今週、リスク資産市場が最も注目するのがFRBだ。
FRBは9月16日、最新の金利判断を発表する。市場では、インフレの高止まりを背景に、政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4%とする見方が広がっている。
FRB内には現状維持を支持する当局者もいるが、7月の会合と似た構図になってきた。
7月の会合では金利が据え置かれた一方、複数の当局者が利上げを支持していた。
今回はさらに、ドナルド・トランプ米大統領がFRBに圧力をかけている。トランプ氏は利上げを見送るだけでなく、利下げを求めている。
CMEグループのFedWatchツールによれば、金利が現在の水準に据え置かれる確率は9月15日時点で13.3%。1週間前は40%を超えていたが、最近のインフレ指標や中東情勢の悪化に伴う原油価格の上昇を受け、低下した。

Fed target rate probability comparison for September FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group
8月の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、ともに市場予想を大きく上回る結果とはならなかった。
ところが、市場の警戒感は収まらなかった。
原油価格は1バレル=100ドル(約1万5430円)を超え、供給危機の終わりも見えない状況にある。

CFDs on WTI crude oil one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
市場分析会社コベイシ・レターは、エネルギーショックの規模に警鐘を鳴らしている。
ホルムズ海峡とサウジアラビアの東西パイプラインを通じて、1日3000万バレルの原油が輸送できなくなる可能性があるという。さらに、バブ・エル・マンデブ海峡も危険にさらされている。
同社はXへの投稿で、これらの輸送ルートに重複があることを考慮しても、供給寸断の規模は1日約1億バレルという世界の原油市場全体から見ても「巨大」だと指摘した。
さらに、米国の消費者が見込む今後1年間の物価上昇率は4.6%に達した。2026年初めと比べて1.1ポイント高く、ガソリン価格や関税が主な懸念として挙げられているという。

US consumer inflation expectations data. Source: The Kobeissi Letter on X.com
CLARITY法案、上院で重要な採決へ
FRBの判断を翌日に控えた9月15日には、暗号資産市場でも重要なイベントが控えている。
米上院で、CLARITY法案を前進させるための手続き上の採決が予定されている。
上院共和党は14日、同法案について民主党への「最後の、最善かつ最終的な提案」とする修正版を公表した。暗号資産業界に明確な法的枠組みを整備するため、超党派で進めてきた協議の一環だ。
修正版は635ページに及ぶ。
法案を公表したシンシア・ルミス上院議員は声明で、「1年間にわたる激しい超党派の協議を経て、この法案は準備が整った」と述べた。
また、トランプ大統領が前例のない倫理規制を自主的に受け入れ、連邦選出議員や判事、その配偶者に米国史上でも特に厳しい倫理規制を適用することに同意したと強調した。
採決は9月15日午後2時15分(米東部時間)に予定されており、可決には60票が必要となる。
可決されれば、法案は上院本会議での審議へ進む。
一方、否決されれば暗号資産市場が敏感に反応する可能性がある。
ルミス氏は、今回の採決で反対票を投じることは、政治家の個人投資に対する実質的な倫理改革に反対し、デジタル資産分野での米国の主導権を海外の競合国に渡し、米国民を暗号資産市場のリスクから無防備なままにすることだと主張した。
元米財務長官スコット・ベッセント氏の暗号資産アドバイザーを務めたタイラー・ウィリアムズ氏も、今回の採決に強気だ。
ウィリアムズ氏は9月12日、ポッドキャストのインタビューで、「これまでで最も可能性が高い。法制化に向けて、まさに目前まで来ている」と語った。
もっとも、予測市場ポリマーケットでは、CLARITY法が2026年中に法制化される確率は34%にとどまっている。

Betting odds for CLARITY Act passing into law. Source: Polymarket
CLARITY法案とFRBを前に投資家はリスク削減
火曜日のCLARITY法案採決と、水曜日のFRBの金利判断を前に、暗号資産トレーダーはリスクを落としているようだ。
暗号資産市場のセンチメント分析を行うサンティメントは、取引所全体の建玉(OI)の変化を分析。市場はすでに両イベントに伴う値動きを警戒していると指摘した。
同社は9月14日の投稿で、「誰もが火曜日のクロージャー投票と水曜日のFRBを注視している。ポジショニングデータを見る限り、市場はすでに動いた」とコメントした。
サンティメントによると、9月11日までの1週間で、ドル建てOIをBTC価格で割って算出したBTC建てOIは13.5%減少。32万1497BTCから27万8151BTCまで縮小した。
その後は小幅に回復したものの、現物価格も同じ期間に5%下落した。
同社は「ポジショニングは8月中旬の上昇前と比べ、約20%低い」としている。

Bitcoin OI data. Source: Santiment
ファンディングレートに強気の兆候
一方、BTC/USDが8万ドル(約1234万円)近辺で推移するなか、暗号資産デリバティブ市場では強気のシグナルも出ている。
オンチェーン分析企業クリプトクアントの最新調査によれば、取引所全体のファンディングレートは5月末以降、徐々に上昇している。
3月初めから続いていたマイナス圏の期間が終わったためだ。
ファンディングレートは、先物市場におけるロングとショートの需給バランスを示す指標だ。
クリプトクアントは9月13日のブログで、バイナンスのデリバティブ市場で極めて弱気なセンチメントが続いた「不信の局面」の後、BTCが52%下落した際に積み上がったショートポジションが、5月の上昇を支えたと分析した。
また、「ビットコインが調整局面の終盤に近づくたび、こうした弱気のコンセンサスが繰り返し現れている点は特に興味深い」と指摘した。
クリプトクアントのデータでは、バイナンスの30日間累積ファンディングレートがマイナスになった局面が、過去のビットコイン弱気相場の終盤や、強気相場における大規模な調整局面と重なっている。

Bitcoin 30-day summed funding rates (Binance). Source: CryptoQuant
Cointelegraphは以前、ビットコインの最近の上昇局面で現物市場からの参加が乏しく、デリバティブ主導の上昇は長続きしない可能性があるとの分析を報じた。
ビットコイン、重要な週足サポートを割り込む
ビットコインは9月13日の週足終値で、重要なサポート水準を維持できなかった。
終値は約7万6800ドル(約1185万円)だった。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタルは9月13日、週足終値で7万8300ドル(約1208万円)を維持する必要があったと改めて指摘した。
この水準を守れなければ、5月初めに失敗したブレイクアウトを再び繰り返す可能性があるという。
同氏が公開したチャートでは、BTC/USDがより低い高値を切り下げるパターンを続けており、長期的な弱気相場の構造が維持されている。

BTC/USD one-week chart. Source: Rekt Capital on X.com
さらにビットコインは、50週指数移動平均線(EMA)である7万7380ドル(約1194万円)も下回って週を終えた。
この水準は、持続的な強気トレンドへの転換に向けて、上抜けが必要とされるラインだ。
レクト・キャピタルは、次の重要な水準として21週EMAの7万2270ドル(約1115万円)を挙げている。
同氏によれば、21週EMAと50週EMAはいずれも強気相場でサポートとして機能する傾向がある。これらを持続的にサポートとして維持できなければ、まだ本格的な強気サイクルには入っていないことの確認になるという。
一方で、今回の週足終値によって、ビットコインの相対力指数(RSI)における週足の強気ダイバージェンスは維持された。
2026年に入り、RSIはより高い安値を形成し続けている。

BTC/USD one-week chart with 21, 50 EMA; RSI. Source: Cointelegraph/TradingView

