
ビットコイン、米PPIショックで7万7000ドル割れ 30年債利回りは19年ぶり高水準
米生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで、ビットコインは7万7000ドル(約1186万円)を下回った。中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰し、米長期金利も上昇。リスク資産には再びマクロ経済の逆風が吹きつけている。

ビットコイン(BTC)は木曜日の米ウォール街取引開始前後に7万7000ドル(約1186万円)を割り込んだ。リスク資産全体が、再燃するマクロ経済上の逆風にさらされた格好だ。
ポイント:
ビットコインは、予想を上回る米PPIインフレ統計を受けて下落した。8月のPPIは前年同月比5.4%となった。
中東での攻撃激化を受け、WTI原油は5月以来初めて1バレル100ドル(約1万5400円)を突破した。
米30年債利回りは、米財務省による60億ドル(約9240億円)の買い戻しにもかかわらず、2007年6月以来の高水準に達した。
米国債利回り、60億ドルの介入でも上昇
トレーディングビューのデータによると、BTC/USDはこの日、米株の軟調さに続く形で約2%安となる展開だった。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
中東情勢の緊迫化は、原油価格の新たな急騰を招いた。WTI原油は5月21日以来初めて1バレル100ドル(約1万5400円)を突破。ブレント原油もこの日、1バレル105ドル(約1万6170円)を超え、16週ぶり高値に迫った。

CFDs on WTI crude oil one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
原油高によるインフレ圧力が強まるなか、市場はさらに、米長期国債利回りの上振れにも直面した。米財務省は水曜日、拡大した債務買い戻しオペレーションの第1弾として、60億ドル(約9240億円)相当の米国債を買い戻したばかりだった。
それでも米30年債利回りはこの日、5.353%まで上昇。これは2007年6月以来の水準だ。10年債利回りも4.924%に達し、2023年11月以来の高水準となった。

US 30-year bond yield one-month chart. Source: Cointelegraph/TradingView
市場分析アカウントのザ・コベイシ・レターは、政府と消費者の双方にとって、借入コストの上昇が波及的な影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。
「債券市場は、文字通り米財務省と戦っている」
同アカウントはXへの投稿でそう指摘した。
強い米PPI、暗号資産市場にさらなる重荷
8月の生産者物価指数(PPI)は、インフレ圧力の強まりを改めて示した。前年同月比は5.4%と、市場予想を0.1ポイント上回った。7月分の総合PPIも上方修正された。
米労働統計局(BLS)は公式発表で、「食品、エネルギー、貿易サービスを除く最終需要指数は、7月に0.4%上昇した後、8月は0.3%上昇した。8月までの12カ月間では、食品、エネルギー、貿易サービスを除く最終需要価格は4.7%上昇した」と説明した。

US PPI one-month % change. Source: BLS
この統計を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測は一段と強まった。CMEグループのFedWatchツールによると、9月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが行われる確率は、執筆時点で69.8%となった。前日は61.2%だった。

Fed target-rate probability comparison for September FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group
既報の通り、堅調な米雇用統計を受けて、FRBの金融引き締めへの懸念はすでに高まっていた。金曜日には、もうひとつの重要な米インフレ指標である消費者物価指数(CPI)が発表される予定だ。これは、FRBの政策判断前に公表される最後の主要インフレ統計となる。
なお木曜日には、欧州中央銀行(ECB)も0.25%の利上げを実施した。2026年に入って2度目の利上げとなる。

