ステーブルコイン発行企業テザーはアンタルファの株式8.2%を取得し、2025年5月の新規株式公開(IPO)後、同社の主要株主の一角となった。
4月20日の米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、テザーは関連会社を通じて195万株を保有している。テザーのジャンカルロ・デヴァシーニ会長が議決権および処分権を共有している。
また、テザーおよび関連会社は、市場環境やその他の要因に応じて保有株式を増減させる可能性があるとも記されている。
アンタルファは、ビットコイン担保融資やマイニング事業者向け設備金融を提供しており、2024年末時点で約16億ドルの融資ポートフォリオを報告している。大手マイニング機器メーカーであるビットメインのエコシステムと密接に結びついている。
アンタルファは昨年のIPOで約4930万ドルを調達し、公開価格は1株12.80ドルだった。
アンタルファの2025年売上高は7970万ドルで前年比68%増、純利益は1850万ドルと前年から3倍以上に拡大した。
テザーは、時価総額ベースで最大のステーブルコインであるUSDTの発行体だ。DefiLlamaのデータによると、USDTの時価総額は約1870億ドルで、約3207億ドル規模のステーブルコイン市場の約58.4%を占めている。

仮想通貨インフラから周辺分野まで投資拡大
アンタルファへの投資は、テザーが直近の利益を活用し、デジタル資産に関連する複数分野へ事業を拡大している流れの一環だ。対象にはマイニング、人工知能(AI)、金融サービス、トークン化資産などが含まれる。
今週月曜には、現実世界資産(RWA)のトークン化プロトコルであるカイオが、800万ドルの資金調達ラウンドにテザーが参加したと発表した。
「テザーの参加は戦略的整合性の高さを示すものだ」とカイオは述べている。「USDTはクロスボーダー資本フローにおける主要な決済レイヤーとなっている。カイオはその次のレイヤーとして、USDT保有者に対し、機関投資家水準の利回りへの構造化かつ規制準拠のアクセスを提供する」。
3月にはテザーが主導し、スマートマットレスやウェルネスシステムなど睡眠関連製品を開発するエイト・スリープに5000万ドルを投資している。
2月にはゴールド・ドットコムに1億5000万ドルを投資し、約12%の株式を取得した。自社のXAUTを通じたトークン化金へのアクセス拡大の一環だ。
同月にはさらに、機関投資家向けにカストディ、決済、ステーブルコイン発行サービスを提供する米国のデジタル資産銀行アンカレッジ・デジタルに1億ドルの出資を行った。
テザーのパオロ・アルドイーノCEOは7月、同社がベンチャー部門を通じて120社以上に投資してきたと述べており、これらの投資はステーブルコイン準備金ではなく、企業利益から拠出されていると説明している。

今月初旬には、テザーが企業評価額5000億ドルでの資金調達を模索していると報じられた。投資家需要が不十分な場合は調達を延期する可能性も示している。
