暗号資産市場で、また「次の本命探し」が始まった。
ビットコインは一服した。
その裏で、資金は別の場所を探している。
狙われているのは、AIコインとハイパーリキッドだ。
暗号資産トレーダーのマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は、次のアルトコイン相場で、ハイパーリキッドやAI関連トークンが主役になる可能性があるとみている。市場のリスク選好が戻れば、資金は再び一部の高成長銘柄に流れ込む。米暗号資産メディア「コインデスク」に語った。
なかでも勢いがあるのが、ハイパーリキッドだ。
同プロジェクトのトークン「HYPE」は、米国でHYPE関連ETFが2本立ち上がったことを受け、過去最高値を更新した。ファン・デ・ポッペ氏は、暗号資産市場全体のリスク選好がさらに強まれば、HYPEは100ドル、円換算で約1万5900円以上を狙う可能性があると語った。
ハイパーリキッドは、永久先物取引を中心とする分散型取引基盤だ。
要するに、暗号資産版の高速デリバティブ取引所だ。ユーザーは中央集権型取引所に頼らず、オンチェーンでレバレッジ取引ができる。そこに市場は熱を見ている。
ただの話題先行銘柄ではない。実際に取引需要がある。ユーザーがいる。手数料収入もある。暗号資産市場では、資金はいつも「物語」と「実需」の交差点に流れる。ハイパーリキッドには、その両方がある。
欧州では、規制された取引所で永久先物にアクセスしにくい状況が続いている。その隙間に、ハイパーリキッドが入り込んでいる。ここが強い。
しかも同プロジェクトは、単なる暗号資産の先物取引だけを狙っていない。将来的には、トークン化株式、コモディティ、未上場株式に近い資産まで扱おうとしている。うまくいけば、オンチェーン金融の取引所になる。
だから市場は騒ぐ。
だが、熱狂には必ず影がある。
ファン・デ・ポッペ氏は、短期的にはハイパーリキッドが勝者になり得るとしながらも、長期ではソラナにより強い確信を持っているという。理由は単純だ。ソラナが、かつての「投機家向けチェーン」から、より機関投資家向けの金融インフラへ変わりつつあるからだ。
つまり、ハイパーリキッドは今の相場の主役。
ソラナは数年単位で見る本命。
そういう構図だ。
もうひとつの注目分野がAI関連トークンだ。
いま株式市場では、AI企業の評価額が過熱している。エヌビディアを筆頭に、AI関連銘柄には巨額の資金が流れ込んできた。一方で、暗号資産市場のAIトークンは大きく下落したままだ。
そこに歪みがある。
ファン・デ・ポッペ氏は、AIトークンが実態に比べて安く放置されているとみている。伝統市場ではAI銘柄が買われている。だが暗号資産側のAI銘柄はまだ戻っていない。ならば、次に見直されるのはここだ、という読みだ。
彼が注目するのは、ニアとビットテンソルだ。
ニアについては、2025年に約1000万ドル、円換算で約15億9000万円だった収益が、今年は最大1億ドル、約159億円まで伸びる可能性があるという。もし本当にそこまで伸びるなら、現在の評価は安すぎる。
ビットテンソルも同じだ。
同プロジェクトは、分散型AIネットワークを掲げる。サブネットと呼ばれる独自のエコシステムが拡大しており、採用が進めば価格は1000〜2000ドル、円換算で約15万9000〜31万8000円の水準も正当化され得るとした。
もちろん、これは強気派の見立てだ。
AIトークンには、うさん臭いものも多い。名前にAIがついているだけで買われた銘柄もある。実際の利用がないプロジェクトも少なくない。
だが、本物が混ざっている可能性もある。
AIの計算資源。
データ。
分散型ネットワーク。
推論基盤。
エージェント経済。
このあたりが本当に伸びるなら、暗号資産側のAI銘柄が再評価される余地はある。
市場のテーマは、また変わりつつある。
少し前まではミームコインだった。
その次はビットコインETFだった。
次にステーブルコインとトークン化資産が来た。
そして今、投資家はAIと高収益プロトコルを見始めている。
ただし、アルトコイン相場は残酷だ。
上がる時は一気に上がる。
だが、資金が抜ける時も早い。
ハイパーリキッドには競合が出る。
AIトークンには実需を証明する責任がある。
ソラナには機関投資家向けインフラとしての信頼が問われる。
どれも簡単ではない。
それでも、市場はすでに次の物語を探し始めている。ビットコインだけでは満足できない資金が、次の急騰銘柄を探して動き出している。
ハイパーリキッドか。
AIトークンか。
それともソラナか。
暗号資産市場の熱狂は、いつもこうして始まる。
最初は一部のトレーダーが囁く。
次にチャートが動く。
そして最後に、一般投資家が気づく。
その時には、もう相場は半分進んでいる。

