パクソス・ラボは、ブロックチェーン・キャピタル主導の戦略的資金調達ラウンドで1200万ドルを調達した。単一の統合で仮想通貨利回り、融資、ステーブルコイン発行を提供できる「アンプリファイ(Amplify)」プラットフォームの拡張を目的とする。
アンプリファイは「Earn」「Borrow」「Mint」の3つのモジュールで構成され、デジタル資産からの利回り創出、仮想通貨担保ローンの提供、ブランド付きステーブルコインの発行を可能にする。単一の統合により、将来的に追加機能の解放も見込まれる設計となっている。
火曜日の発表によれば、同プラットフォームは設定可能な制御機能を備えた単一のSDKを提供し、流動性の確保、取引相手の審査、バックエンド運用はパクソス・ラボ側が担う。また、生成された収益の一部は導入パートナーと分配される。
パクソス・ラボによると、アレオ、ハイパービート、トクといったパートナーがすでに導入しており、ハイパービートは4月9日の開始以降、運用資産額が51万ドル超に達したと報告している。
今回の資金調達ラウンドにはロボット・ベンチャーズ、メイルストローム、ユニスワップも参加した。
パクソス・ラボはパクソス内のインキュベーション部門として運営されている。パクソスは機関投資家向けに1800億ドル超のトークン化取引を処理してきたとされる。
今回の展開は、すでにカストディや取引機能を提供しているプラットフォームを主な対象とし、眠っているデジタル資産残高を収益を生む金融商品へ転換する手段として位置付けられている。
利回り・融資サービス拡充の流れ強まる
仮想通貨プラットフォームは、カストディや取引にとどまらず、ユーザー保有資産からの収益化に向けた機能拡張を進めている。
3月にはクラーケンがSTSデジタルのストラクチャード商品を統合し、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)で固定リターンを狙うオプション戦略を提供開始した。同月にはコインベースも、自社のBaseネットワーク上でビットコイン利回りファンドのトークン化クラスを導入し、機関投資家にオンチェーンで利回り機会へのアクセスを提供している。
クラーケンとコインベースは、ステーブルコイン預金に対する利回り提供も行っており、オンチェーンレンディング市場との統合を通じて、遊休資産からの収益化を可能にしている。
また、機関投資家向けサービスでは、カストディ資産を担保とした融資の拡張も進む。2月にはアンカレッジ・デジタルがカミノおよびソラナ・カンパニーと提携し、ステーキングされたソラナ(SOL)を移動させることなく借入できる仕組みを発表した。3月にはロンバードがビットワイズ・アセット・マネジメントと提携し、オンチェーンレンディング基盤を用いたビットコイン担保の利回りおよび融資サービスを開始している。
一方で、利回り型仮想通貨商品の是非は政策論議にも波及している。米国のデジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)を巡る議論では、ステーブルコイン利回りを認めるかどうかが焦点となっている。
米銀行協会(ABA)は月曜日、ステーブルコイン利回りを認めると中小の地方銀行からの預金流出が加速し、資金調達コストの上昇や地域向け融資の減少につながる可能性があると警告している。

