米銀行協会(ABA)は、ステーブルコインの利回り禁止が銀行に与える影響は軽微としたホワイトハウスの報告書を批判し、「誤った問いに基づく結論だ」と主張した。
大統領経済諮問委員会(CEA)は、水曜日に公表した「ステーブルコイン利回り禁止が銀行貸出に与える影響」と題するレポートで、ベースラインシナリオでは利回り禁止によって銀行貸出は21億ドル増加するにとどまり、純増は約0.02%とわずかであると試算した。
これに対し、ABAのチーフエコノミストであるサイー・スリニバサン氏と銀行・経済調査担当バイスプレジデントのイーカイ・ワン氏は月曜日の声明で、「現実の政策上の懸念は、利回り禁止が貸出に影響するかではなく、利回りを認めた場合に預金流出が起きるかどうかである」と指摘した。特に地方銀行からの資金流出を問題視している。
両氏は、仮に銀行システム全体の預金総額が変わらなかったとしても、小規模銀行から大手金融機関へ資金が移動する可能性が高く、その結果として地方銀行の資金調達コストが上昇し、地元向け融資が減少すると述べた。
さらに、一部の小規模銀行はこうした資金流出を吸収するだけのバランスシート上の余力がなく、高コストのホールセール調達に依存せざるを得なくなる可能性があるとした。
現在、仮想通貨と銀行業界の関係者は、今月にも審議が進む見通しのCLARITY法案の上院案に関し、仮想通貨規制の枠組みを巡る条項について協議を行っている。その中で、ステーブルコイン利回り支払いの禁止をめぐる文言が主要な争点となっている。
ABAの懸念は、2025年4月に財務省が示した分析とも重なる。この分析では、ステーブルコインの普及が進んだ場合、米国の銀行システムから最大で6.6兆ドルの預金流出が生じる可能性があると試算している。
利回り面での魅力は認める
こうした懸念がある一方で、ABAの経済調査担当者は、家計や企業がより高い利回りを求めて銀行から資金を移すインセンティブが存在する点を認めた。
コインベースの最高経営責任者(CEO)ブライアン・アームストロング氏は、銀行が長年にわたりほぼゼロに近い預金金利しか提供してこなかったと批判し、ステーブルコインの利回りは銀行に対し、より公平な競争を促すことになると主張している。
ABAは、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、シティグループなど、銀行業界を代表する大手金融機関を会員としている。

