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Yoshihisa Takahashi
執筆者:Yoshihisa Takahashiスタッフ編集者
Yoshihisa Takahashi
校閲:Yoshihisa Takahashiスタッフ編集者

FBI、約1.2兆円の暗号資産を押収 「詐欺収容所」に広がる国際犯罪の闇

FBI、約1.2兆円の暗号資産を押収 「詐欺収容所」に広がる国際犯罪の闇
ニュース

米連邦捜査局(FBI)は、国際的なオンライン詐欺組織の摘発で、80億ドル超、円換算で約1.2兆円相当の暗号資産を押収した。押収規模は米政府史上最大級とされる。米フォックスニュースが5月28日に報じた。

摘発は、アジアや中東、アフリカなどに広がる「詐欺収容所」を対象にした国際作戦の一環だ。こうした施設では、恋愛詐欺や偽の暗号資産投資話などを使い、米国人を中心に被害者から資金をだまし取っていたとされる。

FBIによれば、今回の作戦では数百人の容疑者が逮捕され、約2000人の人身売買被害者が救出された。ドバイでは9カ所の詐欺拠点が摘発され、275人が逮捕された。このうち6人は米国に移送され、連邦法上の罪に問われる見通しだ。

特に注目されるのが、カンボジアの大手企業グループ「プリンス・ホールディング・グループ」のトップ、陳志氏をめぐる捜査だ。FBIは同氏の逮捕に関連し、12万7000BTC超を押収した。現在価値で80億ドル超に相当し、押収時点では150億ドル超に達していた可能性もあるという。

捜査対象には、ミャンマーの武装勢力「民主カレン慈善軍(DKBA)」も含まれる。同組織は中国系犯罪組織との関係が指摘され、米財務省から制裁対象にも指定されている。FBIは、DKBAが支配する地域にある詐欺拠点から、3000万ドル相当の資金も押収したとしている。

今回の作戦には、イーロン・マスク氏率いる衛星通信サービス「スターリンク」も関与した。FBIはスターリンク側に位置情報データを提供し、ミャンマーで詐欺グループが使用していたとされる7000台超の端末を停止させたという。

FBIのカシュ・パテル長官は、詐欺収容所について「単なるコールセンターではない」と指摘した。組織的に米国人から金を盗み、資金洗浄を行い、人々を大規模に搾取する犯罪企業だと強調している。

FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)には2025年、暗号資産投資詐欺に関する苦情が約7万2000件寄せられ、被害総額は75億ドルを超えた。FBIは、実際の被害額はこれを大きく上回る可能性があるとみている。

暗号資産は、国境を越えた資金移動を容易にする一方で、国際詐欺組織の資金洗浄にも使われてきた。だが、ブロックチェーン上の取引記録は追跡可能でもある。今回の大規模押収は、暗号資産犯罪をめぐる捜査が新たな段階に入ったことを示している。

「米国人を標的にすれば、我々は見つけ出し、ネットワークを破壊する」。FBIはそう警告する。暗号資産、人身売買、武装勢力、越境詐欺が結びついた新たな国際犯罪の構図が、今回の摘発で改めて浮かび上がった

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