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Kazuki Okubo
執筆者:Kazuki Okuboスタッフライター
Kazuki Okubo
校閲:Kazuki Okuboスタッフライター

ビットコイン価格「底入れ間近、今は買い場」英スタンダードチャータード銀が見通し

ビットコイン価格「底入れ間近、今は買い場」英スタンダードチャータード銀が見通し
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暗号資産市場に冷たい雨が降った一週間だった。ビットコインは7日間で14%下落し、一時6万1463ドル、約983万円まで売られた。だが、英金融大手スタンダードチャータードは、ここで悲観に傾きすぎる必要はないとみている

同行のデジタル資産リサーチ責任者、ジェフ・ケンドリック氏は顧客向けのコメントで、ビットコインの安値は「ほぼ入った」と指摘した。

ビットコインは4日水曜日、6万3739ドル、約1020万円前後で推移。24時間高値の6万7416ドルから下げ、一時は6万1463ドルまで沈んだ。これは2026年2月の急落以来の水準だ。

2025年10月につけた過去最高値12万6277ドル、約2020万円からは、約51%下落した計算になる。

今回の売りを加速させたのは、米ストラテジー社の動きだった。同社は米証券取引委員会への提出資料で、5月26日から31日にかけて32ビットコインを売却したと明らかにした。売却額は約250万ドル、約4億円。売却資金は年率11.5%の配当が付く優先株ストラテジー・ストライフ、STRCの配当原資に充てられた。

セイラー氏といえば「ビットコインは売らない」という姿勢で知られてきた。そのストラテジーが小規模とはいえ保有ビットコインを純減させた。市場はこの一点に過敏に反応した。

ビットコインは同社の開示があった日に7万2000ドルを割り込み、ストラテジー株も一時6%近く下落した。まるで教祖が一瞬だけ祭壇の火を消したようなものだ。ビットコイン信者らはざわついた。

ただ、ケンドリック氏の見立ては逆だ。彼が挙げた底入れの根拠は三つある。

第一に、ストラテジー社にはビットコイン売却の前例がある。同社は2022年12月にもビットコインを売却したが、その2日後には売却分を上回る量を買い戻した。ケンドリック氏は今回も同様の展開を予想しており、売却した32ビットコインの最大100倍を買い戻す可能性があるとみる。仮に来週月曜日にも買い戻しが確認されれば、それは「安値確認」の暫定的なサインになるという。

第二に、米国の現物ビットコインETFの保有は思ったほど崩れていない。米上場の11本の現物ETFでは13営業日連続で資金流出が続き、流出額は計34億5000万ドル、約5520億円に達した。5月29日までの1週間だけで14億2000万ドル、約2272億円が流出し、5月全体では23億ドル、約3680億円の流出となった。それでも、設定来の累計純流入額は542億ドル、約8兆6720億円を維持している。保有ビットコインも約67万4000ビットコインと、ピーク時の約68万2000ビットコインから大きくは崩れていない。

第三に、レバレッジ勢の強制清算余地が以前より小さい。今回の下落局面で取引所が清算したビットコイン先物の買いポジションは15億ドル、約2400億円規模だった。大きな数字ではあるが、過去の本格的な崩落局面と比べれば、まだ市場全体を焼き尽くすほどではない。

ケンドリック氏は、ビットコインがすでに2026年に株式市場を下回るパフォーマンスとなっていることから、追加的な強制売りのリスクは低下しているとみる。

同氏の年末目標はなお10万ドル、約1600万円だ。いま6万ドル台前半まで落ちた相場を、後から振り返れば「誰もが欲しかった買い場だった」と見ることになる、というのがスタンダードチャータードの読みだ。

もっとも、相場の底は誰にも分からない。ストラテジーの買い戻しがなければ、ストラテジー神話にはさらに傷がつく。ETFからの流出が続けば、機関投資家の忍耐も疑われる。中東情勢や米金利、為替も重しだ。実際、足元では円が1ドル=160円近辺まで下落し、日本当局の為替介入警戒も高まっている。

それでも、暗号資産市場では、最も苦しい局面で次の物語が仕込まれる。ストラテジーの32ビットコイン売却は、終わりの始まりなのか。それとも、次の買い場を知らせる狼煙なのか。答えは、来週のストラテジー社の一手と、ETF資金の戻りにかかっている。

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