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William Suberg著ライターRobert Lakin監修編集者

ビットコイン、一時8万ドル割れ 米インフレ再加速で「次の下値」はどこか

マーケット公開日2026年10月16日

米国の物価上昇が、ビットコイン相場に冷や水を浴びせた。9月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想を大きく上回り、ビットコインは一時8万ドル(約1264万円)を割り込んだ。次の焦点は7万8000ドル(約1232万円)前後の攻防。強気相場は踏みとどまれるのか。

節目の8万ドルが、あっさりと崩れた。

ビットコイン(BTC)は10月15日、米生産者物価指数(PPI)が市場予想を大幅に上回ったことを受け、一時8万ドル(約1264万円)を割り込んだ。

約4年半ぶりの物価上昇が追い打ち

トレーディングビューのデータによると、ビットコインの対米ドル価格は9月18日以来の安値まで下落。この日の下落率は一時1.8%に達した。その後は8万1000ドル(約1280万円)付近まで持ち直した。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

売りのきっかけとなったのは、米労働統計局(BLS)が発表した9月のPPIだ。前年同月比の上昇率は6.3%と、市場予想の5.3%を丸々1ポイント、金融市場でいう100ベーシスポイントも上回った。コアPPIも前年同月比5.0%上昇し、予想の4.4%を超えた。

前月比の上昇率は1.3%。BLSの公式発表によれば、1.7%上昇した2022年3月以来の大きさだ。一方、季節調整前の前年同月比6.3%という伸びも、6.4%を記録した2022年12月以来の高水準となった。

US PPI one-month % change. Source: BLS

前日には、米消費者物価指数(CPI)も市場予想を上回り、暗号資産をはじめとするリスク資産が下落していた。物価指標の上振れが、2日続けて市場を襲った格好だ。

しかも、リスク資産にはすでに別の売り圧力がかかっていた。韓国を中心とするハイテク株売りで、韓国総合株価指数(KOSPI)は15日に7.5%下落していた。

エコノミストのモハメド・エラリアン氏は、今回のPPIについて、CPIの結果よりも「さらに衝撃的だ」と評した。

ただ、債券市場の反応は一筋縄ではいかない。エラリアン氏らが注目したのは、インフレ指標が上振れしたにもかかわらず、米国債利回りが上昇していないことだった。記事執筆時点の米10年債利回りは、この日ほぼ3%低下し、9月23日以来の低水準に沈んでいた。

US 10-year bond yield one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

ゴールドマン・サックスで為替戦略の責任者を務めたロビン・ブルックス氏は、国債利回りと米経済指標の連動性が薄れているという従来の分析を改めて示した。市場の関心が、政府による財政赤字への対応に移っているというのだ。

同氏は、経済指標の予想からの上振れと、10年債利回りの日々の変動との30日間の相関を比較。2026年の早い時期には0.6近くあった相関係数が、8月末にはゼロをわずかに下回る水準まで落ちていたことを明らかにした。

ブルックス氏は9月のブログで、こう説明している。

「これは、利回りが経済指標と連動しなくなったことを示している。明らかな説明は、市場が財政赤字の行方をより重視しているということだ。そのため、経済指標が予想からどう振れるかにかかわらず、長期金利を押し上げている」

次の攻防は7万8000ドル前後 強気相場は崩れたのか

では、ビットコインの下値はどこにあるのか。

今回の値動きで、改めて注目を集めているのが2本の指数平滑移動平均線(EMA)だ。直近の価格に重みを置いて相場の流れを見る指標で、21週EMAは7万6144ドル(約1203万円)、50週EMAは7万8459ドル(約1240万円)に位置する。

トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタル氏は、ビットコインがこの2本の線を再び試しても、全体としての上昇基調は維持できるとみる。

同氏はXへの投稿で、過去の強気相場を引き合いに出した。

「大きな値動きを伴う再テストでこれらの線を一時的に下回り、調整の底を探る動きは、過去にも強気相場の初期に起きている。ただし、そうした下振れは2本のEMAが強気のクロスを形成した後に起きていた。現在のビットコインは、まだクロス前だ」

下値を試すこと自体は、強気相場の終わりを意味しない。ただし、過去の局面と条件がそろっているわけでもない、という指摘である。

BTC/USD one-week chart. Source: Rekt Capital on X.com

ビットコインは依然として、ここ数週間にわたり重要な下値支持帯として注目されてきた8万2500〜8万2800ドル(約1304万〜1308万円)を下回っている。

アナリストのアクセル・キバル氏も、直近の週足終値である8万3700ドル(約1322万円)付近について、レンジを上抜けたと判断するには力強さが足りなかったと指摘した。

同氏はXへの投稿で、次のように述べている。

「週足がレンジ内で引ければ、6万〜8万2800ドル(約948万〜1308万円)という広い範囲でのもみ合いが再開する可能性がある。7万5000ドル(約1185万円)は、このパターン、すなわち長方形の底固めから上昇へ転じる形が否定される水準として使える」

BTC/USD one-day chart. Source: Aksel Kibar on X.com

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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