
ビットコイン上昇の前兆か?バイナンスから2万3000BTC流出、クジラは買い資金を40%増
世界最大の暗号資産取引所バイナンスから、わずか1週間で2万3137BTCが流出した。3年超ぶりの高水準だ。一方、「クジラ」と呼ばれる大口投資家は、買い待機資金となるステーブルコインの入金を40%増やしている。ビットコインは長引くレンジ相場を抜け出すのか。

世界最大の暗号資産取引所バイナンスで、異変が起きている。
9月下旬、ビットコイン(BTC)の流出量が数年ぶりの高水準に達したことが、新たな分析で明らかになった。
ポイント
- 9月第4週、バイナンスからのビットコイン純流出量は2万3000BTCを突破。3年超ぶりの高水準となった
- クリプトクアントは、これによりBTC/USDが現在のレンジ相場を上抜ける可能性が高まったと分析
- クジラによるバイナンスへのステーブルコイン入金は、8月中旬から40%増加した
バイナンスのBTC保有量、9月20日から約4万BTC減少
オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアントによると、9月27日までの7日間で、バイナンスからのビットコイン純流出量は2万3137BTCに達した。
週間ベースでは、2023年6月以来、最大の流出である。当時は、わずか1週間でバイナンスのBTC残高が4万4942BTCも減少した。
今回の流出量はその半分ほどだ。それでもクリプトクアントは、両者の背景にはよく似た市場環境があるとみている。
同社はブログ記事で、こう指摘した。
「バイナンスのように広く利用されている取引所からBTCが流出すればするほど、投資家が買い集めている可能性を示すシグナルは強くなる。取引所からBTCを引き出す行動は、長期保有を前提とした投資行動であり、強気材料といえる」

Binance BTC daily, weekly netflows data. Source: CryptoQuant
2023年6月には、バイナンスからの大規模流出が起きた翌週、BTC/USDが2万6300ドル(約416万円)から3万500ドル(約482万円)まで上昇した。
2022年の弱気相場から立ち直る過程で、ビットコインは約1年ぶりの高値を更新したのである。
今回も、同じような「買い集め」の動きが見える。クリプトクアントによれば、バイナンスが保有するBTCは9月20日以降、約4万BTC減少している。
同社は次のように結論付けた。
「売り手が後退している状況と、この買い集めが重なれば、ビットコインを現在の保ち合い相場から比較的早く押し上げるには十分かもしれない」
BTC/USDは9月21日以降、8万2500ドル(約1304万円)から8万7400ドル(約1381万円)のレンジ内で推移している。
コインテレグラフが報じたように、この間の短期的な値動きを左右してきたのは、取引所に並ぶ大量の流動性だった。
その上には、なお強力な壁がある。2026年の年初価格である8万7570ドル(約1384万円)だ。ここが目下のレジスタンスとなっている。
クジラがバイナンスへ「買い待機資金」を移動
もう一つ、見逃せない動きがある。
別のクリプトクアントのデータによると、大口のクジラは過去6週間にわたり、バイナンスへ送り込むステーブルコインを増やしている。
取引所に置かれたステーブルコインは、暗号資産を買うための「待機資金」とみなされる。いわば、まだ撃たれていない弾丸だ。
その残高が増えているということは、投資家が暗号資産への資金投入を強めようとしている可能性を示す。
クリプトクアントによれば、8月15日から9月末にかけて、クジラによるバイナンスへのステーブルコイン入金額は、30日移動ベースで40%増加した。
金額にして、217億ドル(約3兆4286億円)から305億ドル(約4兆8190億円)への急増である。
同社はこう解説する。
「こうした行動の変化は、長い停滞期を経て起きた。クジラの入金額は、暗号資産市場が現在の史上最高値を記録した2025年10月に610億ドル(約9兆6380億円)を超えてピークに達した後、減少を続けていた」
バイナンスからはビットコインが出ていく。その一方で、ステーブルコインは入ってくる。
長期保有をにらんだBTCの引き出しと、新たな買いに備えた資金の流入。この二つが同時に起きていることこそ、市場が次の一手を探っている証拠なのかもしれない。

Bitcoin whale stablecoin inflows to Binance (screenshot). Source: CryptoQuant

