英フィナンシャル・タイムズは金曜日、テザーが財務諸表に関する初の全面監査のためKPMGを起用し、内部システム整備の支援としてPwCも招いたと報じた。
今回の動きは、テザーが火曜日に「ビッグ4」の会計事務所と初の財務監査契約を正式に締結したと発表したことを受けたもの。ただし当時は監査法人名を公表していなかった。テザーはこれまで全面監査の実施を繰り返し約束してきたが、実際には2022年以降、BDOネットワークのイタリア法人BDOイタリアによる定期的な準備金証明にとどまっていた。
今回の監査は、GENIUS法による新たな米国のステーブルコイン規制枠組みの下で、同社が資本調達や米国展開を検討する中で実施される。
テザーのUSDTは流通額約1850億ドルのドル連動型トークンであり、時価総額ベースで最大のステーブルコインとなっている。テザーは1月時点で、1220億ドル超の米国債を直接保有し、翌日物レポなどを含めた総エクスポージャーは約1410億ドルに達するとしている。
KPMGによる包括的監査は、単なる準備金のスナップショットを超え、資産・負債・内部統制を含む広範なバランスシート全体を対象とする見込みであり、テザーはこれを「金融市場史上最大の初回監査」と位置付けている。
テザーはビッグ4の選定について競争プロセスを経たと説明し、自社はすでにビッグ4水準の監査基準で運営されていると主張しているが、監査完了時期は明らかにしていない。
資金調達と過去の問題
ブルームバーグは2025年9月、テザーが最大200億ドルの資本調達を検討しており、企業価値は5000億ドルに達する可能性があると報じた。これに対し、パオロ・アルドイーノCEOは2026年2月、具体的な金額には合意していないと否定しつつ、利益水準を踏まえ5000億ドルの評価を目標としていると述べた。
同社は過去に、準備金に関する「虚偽または誤解を招く説明」を行ったとして、米商品先物取引委員会(CFTC)から4100万ドルの罰金を科されている。
また別件では、損失隠蔽や投資家への誤解を招く情報提供の疑いを巡り、ニューヨーク州司法長官と1850万ドルで和解した。この和解により、テザーは2年間にわたり詳細な四半期準備金報告の提出を義務付けられ、その後これらの資料公開にも応じている。

