仮想通貨・ビットコインのニュースサイト|コインテレグラフ ジャパン
Stephen Katte
執筆者:Stephen Katteスタッフライター
Felix Ng
校閲:Felix Ngスタッフ編集者

米大手銀行、金融システムのデジタル化は「ゆっくり始まり急加速」=ムーディーズがレポート

米大手銀行、金融システムのデジタル化は「ゆっくり始まり急加速」=ムーディーズがレポート
ニュース

米大手銀行や金融市場仲介業者は、金融システムのデジタル化移行について、当初は緩やかに進行し、その後転換点を迎えて急速に加速すると予想している。格付け会社ムーディーズ・レーティングスが火曜日の報告書で明らかにした。

ムーディーズによれば、米銀行や金融市場仲介業者との対話の中で、多くの関係者がこの移行を「不可避」とみなしていた。また、トークン化の取引量は「ゆっくり始まり、その後急拡大する」との認識で一致しており、市場参加者、資産クラス、ユースケースの拡大とともに成長すると予測している。

ムーディーズは、「業界リーダーの多くは、広範な資産のトークン化はいずれ実現すると考えている。不確実性があるのは、そのスピードと順序だ」と述べた。

「短期的には、ファンドや短期金融商品など比較的単純な分野に集中し、従来の金融プロセスと並行する形で徐々に進展するとみられている。しかし、その先では、多くの関係者が採用拡大が急加速する転換点到来を予想している」

トークン化は、ブロックチェーンや仮想通貨に対する機関投資家の関心を支える主要要因の1つとなっており、今後数年で大幅な成長が期待されている。

キャシー・ウッド氏率いるARKインベストは、2030年までにデジタル資産市場が28兆ドル規模へ成長すると予測しており、その原動力としてビットコイン、分散型金融(DeFi)、ステーブルコイン、現実世界資産(RWA)のトークン化を挙げている。

伝統的金融は本格普及に向け準備進める

ムーディーズによれば、現時点でのトークン化活動規模はまだ小さい。主な用途は仮想通貨取引、国際小口送金、一部の機関投資家向けユースケースに限られている。

しかし、伝統的金融機関は採用拡大に備えて積極的に準備を進めている。

分析プラットフォームのRWA.xyzによれば、RWAトークン化の市場規模は2025年初頭以降で420%拡大しており、木曜日時点で316億ドルに達している。

ムーディーズは、「ほぼすべての大手銀行および主要金融市場仲介業者が、専用のデジタル資産チームやイノベーション部門を設置し、新たなインフラを検証するための業界パイロットに参加している」と指摘した。

「こうした取り組みは戦略的なものだ。デジタル資産やデジタルマネー需要が急拡大した場合に備え、顧客対応能力を整え、市場需要の急変に取り残されないようにする狙いがある」

1月には、モルガン・スタンレーが新たな仮想通貨部門責任者としてベテラン幹部エイミー・オルデンバーグ氏を起用した。同社はその数週間前、3本の仮想通貨ETFおよび仮想通貨ウォレットを立ち上げる計画を発表していた。

金融システムに3つのシナリオ

ムーディーズは月曜日の別報告書で、トークン化進展ペースに応じた金融システムの3つのシナリオを提示した。

最も可能性が高いとされる「安定成長」シナリオでは、金融システムの基本構造は大きく変わらない。ステーブルコインやトークン化預金など特定分野でトークン化は拡大するが、既存の資産運用会社、銀行、インフラ提供企業が中心的役割を維持する。

一方、「低成長」シナリオでは、規制摩擦や法的課題、エンドユーザー需要不足が普及を阻害し、資産トークン化やデジタルマネーは限定的ユースケースに留まり、金融システム変化も小規模にとどまる。

金融システム成長のシナリオ. Source: Moody’s

最も破壊的なのは、「急成長」シナリオだ。ステーブルコインなどがオンチェーン決済手段として広く普及し、トークン化が急拡大するケースとなる。

「一部既存プレイヤーは大きな圧力に直面する可能性がある。例えば、決済プロセッサーやコルレス銀行など旧来型市場インフラは、決済遅延や分断されたインフラに依存する収益を失う可能性がある。また、中小銀行では預金残高減少が起こり得る」

マクロ投資家で元ヘッジファンド運用者のジョルディ・ヴィッサー氏は土曜日、「トークン化の現実」が今年始まるとの見方を示し、トークン化資産がエージェント型AIによる決済を支えると予想した

一方、国際通貨基金(IMF)は4月、トークン化には金融分野の摩擦を減らし透明性を向上させる可能性があると評価した一方で、金融安定性に関する新たな課題を生む可能性も警告している

Cointelegraphは、独立性と透明性のあるジャーナリズムに取り組んでいます。本ニュース記事はCointelegraphの編集方針に従って制作されており、正確かつ迅速な情報提供を目的としています。読者は情報を独自に確認することが推奨されます。編集方針はこちらをご覧ください https://jp.cointelegraph.com/editorial-policy