コインベースの量子研究チームは4月21日のレポートで、量子コンピューターによる潜在的脅威に備える取り組みとして、アルゴランドとアプトスの対応を評価する一方、他のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)型チェーンはより脆弱である可能性があると指摘した。
コインベースは、ブロックチェーンに対する量子コンピューターの脅威を整理し、各ネットワークが取るべき対策を示したレポートを公表した。
コインベースは「十分に強力な量子コンピューターが登場すれば、主要ブロックチェーンのデジタル資産を保護する暗号技術が破られる可能性がある」とし、「この種のマシンは最終的に実現されると強い確信を持っている」と述べた。
量子コンピューターは、現在のスーパーコンピューターを大きく上回る性能を持つとされる新興技術であり、一部の仮想通貨アナリストは、将来的にブロックチェーンの暗号アルゴリズムを破り、ウォレットに侵入できる可能性を懸念している。
アルゴランドとアプトス、量子耐性で先行
コインベースは報告書で、レイヤー1ブロックチェーンであるアルゴランドが「完全な量子対応に向けた段階的なロードマップ」を持ち、量子コンピューターに耐性を持つ暗号技術を導入した初期のネットワークの一つだと評価した。
「トランザクション層および実行層において、アルゴランドはすでに量子耐性アカウントをサポートするための暗号ツールを提供している」とし、「プロトコルの変更を必要とせず、ユーザーがこれらのアカウントを作成できる」と説明した。
また、アルゴランドは最近、メインネット上で初の量子耐性トランザクションを完了したが、ブロック提案や委員会による投票メカニズムは依然として量子攻撃に対して脆弱であり、現在対策を研究中だと付け加えた。
一方で、競合するレイヤー1であるアプトスについては、「ポスト量子セキュアなトランザクションへの移行において良好な位置にある」と評価した。
アプトスでは、ユーザーの公開鍵がアカウントに関連付けられたメタデータとして保存されており、アドレスが公開鍵のハッシュから生成されない設計となっている。
「ユーザーは認証キーをポスト量子公開鍵に更新するトランザクションに署名するだけでよく、新しいアカウントへ資産を移す必要はない」とコインベースは説明した。
プルーフ・オブ・ステーク、より高いリスクの可能性
同報告書では、イーサリアムやソラナを含むプルーフ・オブ・ステーク型ブロックチェーンは、ネットワーク保護に用いる署名方式の特性から、量子コンピューターに対してより高いリスクにさらされる可能性があると警告した。
一方で、コインベースはソラナが新たな署名方式を開発しており、ユーザーがアップグレードされた方式に基づく新しいアドレスへトークンを移動すれば、「量子攻撃の影響を受けなくなる」と説明した。
また、イーサリアムについても「近い将来この問題に対応する明確なロードマップがある」とし、量子耐性のある署名方式へのアップグレードが計画されていると述べた。
さらに報告書では、量子脆弱なトークンやウォレットへの対応についても触れ、ブロックチェーンはユーザーに対し量子耐性ウォレットへの移行を促し、移行されない資産については最終的に無効化される可能性があると示唆した。
ただし、コインベースは量子コンピューターの脅威は「現時点では存在しない」とし、仮想通貨に実際の影響を与える水準のコンピューターは、現在の技術を桁違いに上回る性能が必要であり、実現には少なくとも10年はかかる可能性があると指摘した。

