米国のスコット・ベッセント財務長官は議会に対し、デジタル資産市場明確化法(CLARITY法)を遅滞なく可決するよう求めた。上院での審議時間が限られており、今こそ行動すべき時だと警告した。
水曜日にウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿した論説の中で、ベッセント氏はCLARITY法案が仮想通貨、トークン化資産、分散型取引所を含むデジタル資産に明確な規制ルールを与える上で不可欠と指摘した。世界の仮想通貨市場は3兆ドル規模に拡大し、米国人の6人に1人がデジタル資産を保有する中、金融イノベーションにおける米国の主導権はかつてないほど重要になっていると述べた。
「この地位を維持し、直面する課題に応えるためには、議会はCLARITY法を可決しなければならない。上院の審議時間は限られており、今こそ行動の時だ」
米下院は2025年7月にCLARITY法を可決したが、ステーブルコインの利回りをどのように扱うかを巡り、上院では審議が遅れている。
伝統的金融機関は、ステーブルコイン利回りが銀行貸出を大きく減少させる可能性があると警告する一方、仮想通貨業界側はそれがイノベーションを促進し、米国の競争力を維持するために不可欠だと主張している。
ホワイトハウス、利回り容認に前向き
水曜日に公表された大統領経済諮問委員会による報告は、ステーブルコイン利回りが銀行貸出に大きな脅威を与えるとする銀行側の主張に疑問を投げかけた。利回りを禁止しても貸出への影響は限定的だと結論づけている。

大統領経済諮問委員会は、ステーブルコイン利回りを禁止した場合、米国の銀行貸出はわずか21億ドル(市場全体12兆ドルの0.02%)増加するにとどまり、地域銀行の増加分は5億ドル程度にすぎないと試算した。一方で、ユーザーの利回り喪失により年間8億ドルの厚生損失が発生するとも指摘した。
トランプ大統領も、銀行が仮想通貨関連法案の成立を妨げていると批判し、ステーブルコイン利回りを巡る対立を利用してCLARITY法やGENIUS法を「人質に取っている」と非難した。
財務省、ステーブルコインに厳格なAML規制提案
同日、財務省はGENIUS法の下で、決済型ステーブルコイン発行体に対し、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策プログラムの導入を義務付ける新たな規則を提案した。
この枠組みでは制裁遵守が求められ、発行体に対して特定の取引をブロック、凍結、拒否する権限が付与される。銀行秘密法の下で金融機関として扱われることになる。
業界専門家は、この動きによりステーブルコイン発行体が実質的に銀行のようなゲートキーパーへと変化すると指摘している。ブロックチェーン分析企業ノミニスのCEOであるスニル・レビ氏はコインテレグラフに対し、規制遵守の強化によりウォレット凍結や取引遮断、資産差し押さえが大規模に増加する可能性があると述べた。

