
ビットコイン急失速!「米ハイテク株バブル崩壊」の余波で1047万円に下落 次はさらなる暴落か
米国のインフレ鈍化を追い風に上昇していたビットコインが、わずか1日で失速した。引き金となったのは、ミクロンをはじめとする米ハイテク株の急落だ。個人投資家が一斉に利益確定へ動くなか、専門家からはビットコインの上昇が「ここで打ち止めになる」との警戒論も飛び出している。

ビットコイン(BTC)は16日、米国株の下落に引きずられる形で上昇の勢いを失った。米国のインフレ鈍化という好材料が出たにもかかわらず、ハイテク株に大量の売りが浴びせられたためだ。
ビットコインが1047万円に下落 好調ムードは一夜で消滅
トレーディングビューのデータによると、ビットコインは一時6万4500ドル(約1047万円)付近まで下落した。
前日に記録した約3週間ぶりの高値からは、1.5%安となる。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
それまで暗号資産と米国株を押し上げていたのは、米国のインフレ鈍化だった。6月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、いずれも市場予想を下回った。
物価上昇が落ち着けば、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げる必要性は薄れる。株式や暗号資産などのリスク資産にとっては、本来なら願ってもない材料だ。
実際、発表直後には暗号資産と米国株がそろって上昇した。
だが、その熱狂は長く続かなかった。
16日の米国市場ではハイテク株に売りが殺到。なかでも半導体大手のマイクロン・テクノロジーは、1日で15%も急落した。
市場分析メディア「ザ・コベイシ・レター」によると、マイクロン株は6月22日に付けた過去最高値から、すでに30%以上も下落している。

Micron Technologies one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
テスラとアップルだけで325億円を売却
ハイテク株の下落を招いているのは、機関投資家だけではない。
これまで株価上昇の恩恵を受けてきた個人投資家たちも、いよいよ利益を確定し始めている。
ザ・コベイシ・レターによれば、個人投資家によるテスラ株とアップル株の売却額は、過去2週間で合計2億ドル(約325億円)に達した。
一方、個別株における個人投資家の売買代金は、2026年初めの2200億ドル(約35兆7000億円)から、過去最高となる3700億ドル(約60兆1000億円)まで膨れ上がっている。
歴史的なハイテク株上昇相場で巨額の含み益を得た個人投資家が、株価の高いうちに現金化しようとしているというわけだ。
ビットコイン市場でも同じ動きが起きている。
直近の上昇で利益を得た短期投資家や投機筋が、約3週間ぶりの高値を利用して売却に動いた。米国株とビットコインが同時に失速した背景には、投資家による一斉の「逃げ切り」があったとみられる。

Retail investor equity sales data. Source: The Kobeissi Letter/X
市場の新たな合言葉は「上値拒否」
ビットコインの今後について、市場関係者の見方は慎重だ。
注目されている言葉は「リジェクション」、つまり上値を拒否され、価格が押し戻される動きである。
市場コメンテーターのエグジットポンプは、5月初旬にビットコインが8万2000ドル(約1332万円)まで上昇した地点を基準に算出した「アンカー付き出来高加重平均価格(AVWAP)」に注目している。
AVWAPは、特定の時点以降に市場参加者が平均してどの価格で売買したかを示す指標だ。
エグジットポンプは、ビットコインがこの水準を試したところで上昇を阻まれ、再び強く売られる可能性があると分析した。
つまり、今回の反発は本格的な上昇相場の始まりではなく、下落途中に一時的に価格が戻っただけかもしれないということだ。

BTC/USD four-hour chart. Source: Exitpump/X
1070万円の壁を突破できず
トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタルも、ビットコインが上値を拒否され始めていると指摘した。
同氏が注目しているのは、50カ月指数移動平均線(EMA)が位置する6万5900ドル(約1070万円)だ。
ビットコインはこの水準を明確に突破できず、反落の兆候を見せているという。
レクト・キャピタルは以前から、現在のビットコイン相場が2022年の弱気相場と似た値動きを繰り返していると主張してきた。
その分析が正しければ、今回の下落相場における本当の大底はまだ到来しておらず、2026年後半まで待たなければならない可能性がある。
米国のインフレ鈍化という「買い材料」が出ても、ビットコインは上昇を維持できなかった。
ハイテク株の利益確定売り、短期投資家によるビットコインの換金、そして1070万円付近に待ち構える強力な抵抗線。
上昇再開を期待する投資家にとって、嫌な材料が重なり始めている。

