ステーブルコインの取引量が2026年2月、米国の自動決済ネットワークであるACH(Automated Clearing House)を初めて上回った。誕生から12年未満の資産クラスにとって重要な節目となる。
ブロックチェーン分析企業Artemisのデータによると、ステーブルコインの30日移動調整済み取引量は2月に7兆2000億ドルに達し、ACHの6兆8000億ドルを上回った。
このデータは、MEV(最大抽出可能価値)や中央集権型取引所内の取引を除いたステーブルコイン取引をベースに、他の金融システムの日次平均取引量と比較したものである。
アナリストのアレックス・オブチャケヴィッチ氏は「ステーブルコインは静かにグローバル決済の基盤となりつつある。銀行も休日も国境も不要だ」とXで述べた。
ACHは米国の決済インフラの中核を担っており、Nachaのデータによると給与支払いの約93%が同ネットワークを通じて処理されている。
そのACHを上回ったことは、ステーブルコインの実用性と成長を示す象徴的な出来事といえる。
また、ステーブルコインの取引量はVisaやPayPalなどの主要金融システムと比較しても、近年一貫して拡大している。
Artemisの3月データでも、ステーブルコインの取引量は7兆5000億ドルに達し、同期間のACHと同水準に並んだ。
供給量も過去最高水準
CEX.IOのデータによると、2026年第1四半期のステーブルコイン供給量は3150億ドルに達し、2025年第1四半期から80億ドル増加した。
さらに、ステーブルコインは同四半期の仮想通貨取引量の75%を占め、過去最高水準となった。
ステーブルコイン拡大の背景には、米国における規制環境の改善と機関投資家の採用拡大がある。
スタンダード・チャータードなどの金融機関は、ステーブルコイン市場規模が2028年までに2兆ドルに達すると予測しており、現在から530%以上の成長が見込まれている。
GSRのコンテンツ責任者フランク・チャパロ氏は火曜日の投稿で、「この成長を無視する銀行やフィンテック企業は終わる」と警鐘を鳴らした。
同氏は、ステーブルコイン供給量が2020年の300億ドル未満から現在の3000億ドル超へ急増した点を指摘し、制度面ではGENIUS法が機関投資家の参入を後押しした重要な要因だと述べた。

