欧州中央銀行(ECB)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルユーロの運用に関する検討に向け、業界専門家の募集を開始した。検討対象は、ATMや決済端末、受け入れインフラでの機能設計に関するものだ。
ECBはルールブック開発グループ(RDG)のもとで、2つの作業部会への応募受付を開始した。1つはATMおよび端末事業者向けの実装仕様、もう1つは決済ソリューションの認証・承認フレームワークに関するものだ。
今回の取り組みは、デジタルユーロを既存の決済システムやハードウェアにどのように統合するかを定義することを目的としており、オフライン決済対応や欧州で使用されている標準との相互運用性も検討対象となる。
この動きは、政策設計段階から実装計画段階への移行を示すものであり、既存インフラ上での具体的な運用方法に関する知見の収集を目指している。
ATM統合と認証制度を軸に設計
ECBによると、1つ目の作業部会はATMおよび決済端末事業者向けの実装仕様の策定に焦点を当てる。通信技術、オフライン機能、既存決済規格の再利用などが主な論点となる。
2つ目の作業部会では、決済サービスプロバイダーが利用するインフラおよびソリューションに関するテスト、認証、承認プロセスの提案が行われる。
これらの作業部会は、加盟店、決済事業者、消費者の代表で構成されるRDGに報告される。選定された専門家は、標準化されたルールブック策定を支える技術的なインプットを提供することが期待されている。
2027年後半にパイロット開始へ
ECBはこれまでに、2027年後半に開始予定の12カ月間のデジタルユーロ実証実験に向け、欧州連合で認可された決済サービスプロバイダーの選定を進める方針を示している。
2月18日には、ECB理事会メンバーのピエロ・チポローネ氏が、パイロットには限定的な加盟店、ユーロシステム職員、決済サービスプロバイダーが参加すると説明した。
こうした進展はデジタルユーロ導入に向けた前進を示すものの、最終的な発行判断は関連法整備の成立後に行われる見通しである。
