イングランド銀行(英中央銀行)はデジタルマネーへの取り組みを強化しており、副総裁のサラ・ブリーデン氏は、トークン化がコスト削減や決済迅速化、競争促進につながる可能性があると強調した。
ブリーデン氏は火曜日、ロンドンで開催された「シティ・ウィーク」で講演し、トークン化について「資産やマネーをデジタル台帳上で表現すること」だと説明。そのうえで、信頼性と相互運用性が維持されるのであれば、決済や金融市場の効率性と機能性を向上させる可能性があると述べた。
また、トークン化預金や規制対象ステーブルコインといった民間部門の革新が普及したとしても、中央銀行マネーが金融システムの基盤、すなわち「アンカー」であり続けると強調した。
さらに、中央銀行は産業界や政府、規制当局と連携し、金融安定を損なうことなくイノベーションを支える枠組みづくりを進めていると述べた。
講演録によると、同氏は「従来型の銀行預金に加え、人々はトークン化銀行預金、規制対象ステーブルコイン、そして将来的にはリテール向け中央銀行デジタル通貨(CBDC)でも支払いができるようになるべきだ」と発言した。「より幅広い技術やビジネスモデルによる競争拡大は、コストを引き下げ、利用者向け機能を改善するはずだ」と述べた。
イングランド銀行のCBDC学術諮問グループは1月、「リテールCBDCは統一性維持のために厳密には必要ではないが、特に現金の取引利用が減少する中で、有益な補完的役割を果たす可能性がある」と指摘していた。
英中銀、決済インフラ近代化へ
英国は金融システムをトークン化資産に対応させる追加措置も進めている。イングランド銀行は月曜日、中核的な決済インフラの稼働時間を、ほぼ24時間365日に拡大する案を提示した。
提案文書では、トークン化やその他デジタル資産技術の進展が続く中、稼働時間延長は国際送金や証券決済を支援することにつながると説明した。

An excerpt of the BoE’s proposal to extend settlement hours. Source: Bank of England
今回の提案は、ブリーデン氏が今月初め、英中銀が英ポンド建てステーブルコインへの対応方針を見直していると発言したことに続く動きとなる。見直しには、消費者が保有できる上限の緩和を検討することも含まれる。政策当局者らは、英国をデジタル資産分野で競争力ある拠点として強化するため、初期利用者にとっての摩擦を減らすことを目指している。
イングランド銀行はここ数カ月、業界団体との協議を深めるとともに、より厳格な準備資産や裏付け要件を課す従来案を見直す中で、ステーブルコインに対する姿勢を軟化させている。

