長引く仮想通貨市場の低迷により、ユーザー活動や投資資金への下押し圧力が強まる中、少なくとも5つの仮想通貨関連企業が今週、事業終了を発表した。
仮想通貨トレーディングカードプラットフォーム「ファンタジー.top」、クロスチェーンインフラ企業「エバークリア」、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「ZEROネットワーク」は木曜日、それぞれ事業終了を発表した。いずれも市場適合性の不足や、十分な収益を確保できなかったことが背景にある。
同じ週には、イーサリアムインフラ企業「シンジケート・ラボ」が、縮小するロールアップ市場を理由に5年間の事業を終了すると発表したほか、仮想通貨ATM企業「ビットコイン・デポ」が月曜日、財務悪化と規制圧力を理由に米国で破産申請を行った。
仮想通貨業界は今年、市場全体の下落に苦しんでいる。ビットコイン(BTC)は10月初旬の12万6000ドルから約40%下落した。上場企業の多くも第1四半期決算で損失を計上しており、仮想通貨業界では今年に入って5000人以上が解雇されている。
「市場適合性なかった」 相次ぐ撤退
ファンタジー.topは木曜日、Xへの投稿で、2年間の運営を経て6月にサービスを終了すると発表した。同社は、「取引量が長期的な運営を持続可能に支えるには不十分だった」と説明した。
同社は生き残り策として予測市場など複数の商品展開を試みたが、「いずれも持続的な市場適合性には到達しなかった」と述べた。
ファンタジー.top共同創業者のKipit氏は、失敗の理由について、「仮想通貨向けに設計されていないモデルの上に仮想通貨を載せようとした」と説明した。
さらに、「カードゲームを楽しむ人ではなく、カードで金儲けしたい人たちを集めてしまった」と振り返った。

一方、エバークリアは、プロトコルの管理・開発を担う「エバークリア・ファンデーション」と「エバークリア・ラボ」を閉鎖すると発表した。同社は、「必要な商業的深みを構築できず、意味のある収益を維持できなかった」と説明した。
また、複数の買収案を模索したほか、提携重視モデルへの転換も試みたが、「提携先のローンチに必要な時間を過小評価しており、実現前に資金が尽きた」と明かした。
エバークリアは現在、コミュニティが継続運営できるよう、プロトコルのオープンソース化を検討している。

同じく木曜日、ZEROネットワークのチームもXでネットワーク終了を発表した。今後は姉妹サービスである仮想通貨ウォレット兼データサービス「ゼリオン」に注力する。
ゼリオン共同創業者兼CEOのエフゲニー・ユルタエフ氏は、「ユーザーはオンチェーン取引に手数料を払うべきではないという考えでZEROを立ち上げた」と説明した。
「我々はオンチェーンの大衆化に執着してきた。今も変わらない。しかし、世界が必要としていたのは、より多くのブロックチェーンではなく、それらへアクセスするより良い手段だった」と述べた。
生き残るのはTradFi延長線か
最近では、仮想通貨モバイルスーパーアプリ「レジェンド」も5月13日にサービス終了を発表した。
そのほか、ソラナアグリゲーター「ステップ・ファイナンス」、仮想通貨デリバティブプロトコル「ポリノミナル」、仮想通貨レンディングプロトコル「シームレス」、そしてバランサー・プロトコル開発チームの「バランサー・ラボ」も、ハッキング被害や市場適合性不足を理由に事業を終了している。
NYDIGの調査責任者グレッグ・チポラロ氏は2月、「投資家の資金を引き付けられる仮想通貨プロジェクトは減少している」と指摘した。
同氏は、「伝統的金融(TradeFi)の商品をブロックチェーン基盤へ拡張するアプリケーションやサービスのみが、最も注目を集めている」と述べた。
一方で、仮想通貨無期限先物(パーペチュアル)で人気を集めるハイパーリキッドは引き続き高い関心を集めており、トークン価格は木曜日に62ドルを突破した。
また、ブロックチェーンを活用する予測市場のカルシやポリマーケットも取引量を伸ばしている。トークン・ターミナルのデータによれば、両者の4月の月間取引量は合計238億ドルと過去最高を記録した。
一方で、ブリッシュやビットゴー、ギャラクシー・デジタル、コインベースなど主要仮想通貨企業は、市場環境悪化を受け、第1四半期決算で損失を計上している。

