プライバシー重視の仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)は、仮想通貨トレーダーがプライバシー関連プロジェクトへの関心を強める中、過去1週間で70%以上の上昇をみせた。
ジーキャッシュは5月1日時点で約346ドルで取引されていたが、週半ばに593.86ドルまで上昇。その後は調整し、金曜日時点では約570ドルで推移している。
仮想通貨取引所スウィフトエックスの主任市場アナリストであるパブ・フンダル氏はコインテレグラフに対し、「AIや量子コンピューティング、金融監視が仮想通貨に与える影響への懸念が広がる中、トレーダーがプライバシー銘柄に注目し始めている」と述べた。
さらに、投資会社マルチコイン・キャピタルの共同創業者トゥシャール・ジャイン氏が水曜日、「2月以降にZECの大きなポジションを構築した」と明かしたことも上昇を後押ししたという。
ジーキャッシュは代表的なプライバシー銘柄の1つであり、主要な競合にはモネロ(XMR)がある。ジャイン氏は「政治的に個人資産が没収される流れに対抗するため、機関投資家は今後プライベート資産を求めるようになる」とし、魅力的な投資先だと指摘した。
最近では複数の仮想通貨企業が新たなプライバシー機能を導入している。イーサリアムのスケーリング・ソリューションであるポリゴンは日曜日にプライベートなステーブルコイン決済を開始し、アプトス・ラボの「コンフィデンシャルAPT」は4月にメインネットで稼働した。これは残高や送金額を秘匿する機能を備える。
市場分析プラットフォームのサンティメントは水曜日のX投稿で、ジーキャッシュは「力強く反発している」と指摘した。価格上昇とともにFOMO(取り残される恐怖)やSNSでの言及も急増している。
同社は、政府への信頼低下が個人投資家の関心拡大の要因になっている可能性を挙げ、「市場参加者は監視強化や規制強化、AIによるデータ追跡の拡大に対するヘッジとしてプライバシー資産を捉え始めている」と説明した。
また「多くのプライバシー銘柄は時価総額が小さいため、今回のアルトコイン上昇局面において高い上昇余地を狙ったモメンタム投資として注目されている」と付け加えた。
上昇が短命に終わる可能性も
一方で、今回の上昇が持続するかには疑問も残る。
2025年にはプライバシーが主要な投資テーマとなり、他の市場が低迷する中でも関連銘柄は上昇した。ジーキャッシュは11月に約700ドル近くまで上昇し、2018年以来の高値を記録。モネロも1月に過去最高の797.73ドルを付けた。
しかし両銘柄とも上昇を維持できず、フンダル氏は今回のラリーについても短命に終わる可能性を指摘する。
「今回の動きはプライバシー銘柄へのテーマローテーションの特徴を持つ。ファンダメンタルズに基づく再評価と断定するのは時期尚早だ。投資家の関心がどれだけ持続するか、見極める必要がある」と述べた。

