資産運用会社ヨークビル・アメリカは、トランプ大統領が関係するSNS「トゥルース・ソーシャル」関連として申請していた複数の仮想通貨ETF申請を取り下げた。
同社は火曜日、1933年証券法に基づく商品提供から、1940年投資会社法(’40 Act)に基づく仕組みへと戦略転換すると発表した。
これにより、より革新的な商品提供が可能になるほか、投資家保護強化や税制面での効率性向上が期待できるとしている。
今回取り下げられたのは、「トゥルース・ソーシャル・ビットコインETF」、「トゥルース・ソーシャル・ビットコイン&イーサリアムETF」、「トゥルース・ソーシャル・クリプト・ブルーチップETF」などだ。
ヨークビル・アメリカは、「成長する投資家基盤向けに開発中の差別化されたルールベース投資戦略を提供するうえで、1940年法構造の方が適していると判断したため、この手続きを開始した」と説明した。
同社は「アメリカファースト(米国第一)」をテーマとした投資商品で知られている。
ヨークビルは、トゥルース・ソーシャル運営元であるトランプ・メディア&テクノロジー・グループ(TMTG))の資金提供企業兼資産運用会社でもある。
今回の申請取り下げは、トランプ氏と仮想通貨業界との関係を巡る懸念が続く中で行われた。
特に、これらの企業との利害関係が米大統領としての職務と利益相反を起こしている可能性が問題視されている。
民主党議員らは、2025年1月のトランプ氏就任以降、同氏と仮想通貨プラットフォーム「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」との関係について説明を求め続けている。
仮想通貨ETF市場、2026年は苦戦
今回の動きは、2026年に入り仮想通貨ETF需要が冷え込んでいる状況とも重なっている。
米国の現物ビットコインETFへの2026年累計純流入額は、火曜日時点で7億9000万ドルにとどまっている。流入の大半はブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)へ集中している。
これは2025年の250億ドル流入と比べるとごく一部にすぎない。
現物イーサリアムETFも投資家需要維持に苦戦しており、純流出額は6億4000万ドルへ達している。
また、新たなアルトコインETFも、過去商品ほどの需要を獲得できていない。
一方、ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、ヨークビル・アメリカの撤退理由について、「競争激化」が背景にある可能性を指摘した。
特に、新たに登場したモルガン・スタンレーのビットコイン・トラストETFが、業界最低水準となる0.14%の手数料を設定している点を挙げた。
ヨークビルの仮想通貨ETFは、TMTGによる広範な仮想通貨戦略の一部として計画されていた。
同戦略には、昨年立ち上げられた金融プラットフォーム「Truth.fi」も含まれている。
ヨークビル・アメリカは現在、防衛、安全保障、エネルギー分野を中心とした「米国テーマ型」ファンドを展開している。さらに、テクノロジーや不動産関連商品も提供している。
一般的に、1940年法に基づく商品は、分散投資型かつ規制重視の投資信託やETFとして利用される。一方、1933年法構造は、現物コモディティETFや仮想通貨ETFで広く利用されている。

