イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXは、6月に750億ドル規模のIPOを計画している。実現すれば、ビットコイン(BTC)保有企業としては近年最大級の上場案件となる可能性がある。
ナスダックのビットコイン比率上昇へ
スペースXは最近提出したS-1書類で、1万8712BTCを保有していることを開示した。現在の価値は約14億5000万ドルに相当する。
これは、IPO準備中または最近上場申請を行った企業の中で最大規模のビットコイン保有量となる。

ナスダックは現在、「ファストエントリー」ルールを採用しており、超大型IPO銘柄は上場から15営業日以内にナスダック100指数へ組み入れられる可能性がある。
スペースXの時価総額がIPO後に1兆7500億〜2兆ドル規模へ達した場合、同社は短期間でナスダック100の主要構成銘柄になる可能性が高い。
その結果、ナスダック100内のビットコインエクスポージャーは、テスラ以外にも拡大する可能性がある。
テスラは現在、1万1509BTCを保有している。一方、スペースXは1万8712BTCを保有しており、ナスダック100には「イーロン・マスク関連の巨大BTC保有企業」が2社存在する構図となる。
ストラテジーのフォン・リーCEOは、「スペースXのIPOによって“Mag 7”は“Mag 8”になる」と述べた。
Mag 7とは、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、アルファベット、メタ、テスラを指す巨大ハイテク株グループだ。
同氏はさらに、「Mag 8の25%が、バランスシート上にビットコインを保有することになる」と付け加えた。
「テック株に悪材料」との見方も
一方で、アナリストのニック・パクリン氏は、スペースXのIPOは「テック株にとって悪材料となる可能性がある」と警告している。
同氏は金曜日のX投稿で、「スペースXがファストエントリーでナスダック100に組み入れられれば、パッシブファンドはスペースX株を買い、他銘柄を売却する必要がある」と説明した。
さらに、「スペースXの時価総額が大きくなるほど、ファンドはさらに多くのスペースX株を購入し、他銘柄を売却する必要がある。巨大な資金吸引装置のように機能するだろう」と述べた。
パクリン氏は、JPモルガンの推計を根拠として挙げている。同推計によれば、スペースXがナスダック100入りした場合、エヌビディアは200億ドル超の資金流出に直面する可能性がある。

アップルも約160億ドルの流出リスクがあり、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、ブロードコム、メタ、テスラなども、スペースX組み入れに伴ってリバランスの対象になる可能性が高い。
ビットコインは2026年を通じて、大型ハイテク株と高い連動性を維持している。
金曜日時点で、BTCと「ラウンドヒル・マグニフィセント・セブンETF(MAGS)」との30日相関係数はプラス0.81付近に達している。

これは、BTCが最近、大型テック株と同方向へ動く傾向が非常に強いことを意味する。
そのため、スペースX組み入れによってエヌビディア、アップル、テスラなどへ売り圧力が発生すれば、ビットコインもリスク資産全体からの資金流出の影響を受け、短期的な下落圧力にさらされる可能性がある。
BTC、5万6000ドルまで下落余地も
オンチェーン指標では、ビットコインの推定需要が4カ月ぶり低水準まで落ち込んでいることが示されており、数カ月にわたる保ち合い局面入りの可能性が指摘されている。
この需要低迷は、現在のテクニカル構造とも一致している。
ビットコインは2月以降、右肩上がりのベアフラッグ内で推移している。ベアフラッグは、より大きな下落トレンド中の一時的反発局面で形成されやすいパターンだ。
現在、BTCの短期的な下値ターゲットは、フラッグ下限に近い7万3000〜7万4000ドルとなっている。
この水準から反発すれば、価格はフラッグ上限である8万5000ドル付近まで戻る可能性がある。

一方、下限トレンドラインを明確に下抜けた場合、パターン測定値に基づき、5万6000ドル付近までの大幅下落につながる可能性もある。
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