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Antonio Oliveira
執筆者:Antonio Oliveiraスタッフライター
Ray Salmond
校閲:Ray Salmondスタッフ編集者

ビットコイン「7万ドル防衛戦」の裏側

ビットコイン「7万ドル防衛戦」の裏側
マーケット

ビットコイン市場が、再び不穏な空気に包まれている。

きっかけは、現物ビットコインETFからの巨額資金流出だ。先週だけで流出額は14億2000万ドル、約2262億円。その前週にも12億6000万ドル、約2007億円が流出しており、2週連続で市場から巨額の資金が抜けた格好だ。TradingView上に転載されたCointelegraphの記事でも、先週14.2億ドル、前週12.6億ドルのETF流出が市場を圧迫したと伝えている。

その余波を受け、BTCは一時7万2500ドル、約1155万円まで下落した。

市場関係者の脳裏によぎったのは、2月から4月にかけて続いた、あの重苦しいレンジ相場だ。BTCは当時、6万〜7万ドル、約956万〜1115万円の範囲に閉じ込められていた。今回の下落も、そこへ逆戻りする前兆なのではないか――。そんな疑念が広がった。

だが、7万ドルを目前にして、買い手は沈黙しなかった。

現物市場では、7万ドル近辺で出来高が増え、下値を支える動きが確認された。いわば「ここから下は買う」という押し目買い勢の存在が、かろうじて相場を支えたのである。

BTC/USDT aggregated spot volumes. Source: Velo 

しかし、その抵抗は力強い反転とは言い難い。

ETFからの売り、CoinbaseへのBTC流入、先物市場でのロング清算。これらを重ね合わせると、現物市場の買い手が主導権を握っているとはまだ言えない。累積出来高デルタ、いわゆるCVDの動きも、押し目買い勢が市場を制圧するほどの勢いには欠ける。

Bitcoin exchange inflows, Coinbase. Source: CryptoQuant

Open interest heatmap data, on the other hand, does show nearly $300 million of open interest concentrated in the yellow band representing $73,000 to $74,000, where traders appear to have opened new leveraged long positions.   

Open interest heatmap, seven-day lookback. Source: Hyblock

一方で、先物市場には別の思惑が見える。

未決済建玉のヒートマップでは、7万3000〜7万4000ドル、約1163万〜1179万円の価格帯に、約3億ドル、約478億円のポジションが集中している。ここでは、トレーダーたちが新たにレバレッジをかけたロングを積み上げたとみられる。

ETFから資金が抜け、翌日にはCoinbaseへBTCが流入する。そこから売りが広がり、先物市場では時折、ロング勢が清算に追い込まれる。市場の流れは決して明るくない。

BTC/USDT bid-ask ratio (10% depth) turns positive. Source: Hyblock

それでも、注文板を見ると、完全な総崩れではない。

Hyblockのビッド・アスク比率は、10%の板厚で見た場合、買い注文側がやや優勢となっている。つまり、一部のトレーダーは7万5000ドル、約1194万円を下回るビットコインを「割安」と見なし、静かに拾っているということだ。

同指標はマイナス1からプラス1の範囲で推移し、ゼロを上回れば、注文板において買い側の圧力が強まっていることを示す。

とはいえ、足元の現物買いや永久先物のロングだけで、下落トレンドをひっくり返すには力不足だ。いま起きているのは、強気相場の再開というより、売りを吸収しながら下値に“床”を作る作業に近い。

要するに、ビットコインはまだ崩れていない。

だが、勝ってもいない。

今後、相場を本格的に押し上げるには、新たな材料が必要になる。米国とイランの和平合意を巡る報道、現物ビットコインETFへの資金流入の回復、原油価格の下落、そしてホワイトハウスによる「戦略的ビットコイン準備金」への追加言及――。

そうした材料が重ならない限り、BTCはしばらく、売り圧力と押し目買いの狭間で揺れ続けることになりそうだ。

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