ビットコイン(BTC)コミュニティでは、イラン政府がホルムズ海峡を通過する石油タンカーの通行料としてBTCを受け入れる可能性について、その実現性と影響が議論されている。ホルムズ海峡は世界の原油供給の約20%が通過する重要な海上ルートである。
議論のきっかけは水曜日にフィナンシャル・タイムズが報じた記事で、米国の制裁回避を目的に、イラン政府が通行料のBTC決済を検討していると伝えた。
ただ、仮想通貨投資企業ギャラクシーのリサーチ責任者アレックス・ソーン氏によれば、通行料はステーブルコインや中国人民元で支払われる可能性を示す相反する報道も出ている。

BTC支持者のジャスティン・ベクラー氏は、ステーブルコインは発行体によって凍結され得る点を指摘し、GENIUS法で導入されたコンプライアンス機能を理由に、イラン政府が米ドル建てステーブルコインを採用する可能性は低いと主張した。
「USDTやUSDCにはスマートコントラクトレベルでブラックリスト機能が組み込まれている。アドレスが指定されれば、発行体はトークンを凍結でき、完全に流動性を失わせることが可能だ。法の執行は発行体のコンプライアンスに依存する」
さらに「ビットコインには発行体が存在せず、圧力をかけるコンプライアンス担当者もいない。凍結機能もない。イランがビットコインへと傾くのは、この構造的な特性に起因する」と付け加えた。
仮にイラン政府が石油タンカーの通行料としてBTCを受け入れれば、国際取引における中立的な決済レイヤーとしてのビットコインの信頼性が高まる可能性があると支持者らは指摘している。
決済はQRコード方式が有力か
ソーン氏は、タンカー1隻あたりの通行料は20万ドルから200万ドルの範囲になると試算した。フィナンシャル・タイムズの報道では、イランの石油・ガス・石油化学製品輸出業者連合の広報担当者が、船舶は「数秒以内」にBTC決済を完了する必要があると述べたとされる。
この条件から、BTCのレイヤー2決済手段であるライトニングネットワークの利用が想定される。ライトニングは約10分のブロック承認を待たず、数秒で送金を完了できる。
ただし、これまでライトニングネットワークで確認された最大取引額は約100万ドルにとどまるとソーン氏は指摘する。
そのため「より現実的には、イラン当局が通行許可時にQRコードや英数字のビットコインアドレスを提示し、それを通じて支払いを受け取る方式になる可能性が高い」と述べた。

