2026年の仮想通貨市場では、人工知能(AI)およびステーブルコイン分野が全体市場を上回るパフォーマンスを示しており、他分野で価格が下落する中でも利用拡大が続いていることがデータから明らかとなった。
AIとステーブルコイン、逆風下でも拡大
ビットコイン(BTC)は2026年に18.5%下落し、仮想通貨全体の時価総額も2.42兆ドルまで縮小した。米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡る懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢が市場に重くのしかかり、多くのアルトコインも低迷している。
一方で、AIとステーブルコイン関連事業はこの流れに逆行し、堅調な成長と強固なファンダメンタルズを示している。市場資金が投機的分野からインフラ志向へ移行していることが浮き彫りとなっている。
ト―クン・ターミナルのデータによると、サークルのUSDCの供給量は780億ドルに達し、2023年11月から220%増加した。
また、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は2023年11月の8500万から2026年3月には9億人に拡大し、同期間で約10倍の成長となった。

グレイスケールの2026年第1四半期レポートでも同様の傾向が確認されている。AI分野の下落率は14%にとどまり、消費・文化(31%)、スマートコントラクト基盤(21%)、通貨分野(21%)と比べて最も小幅な下落となった。
同社は「投資家の関心がモメンタム主導や投機的セクターから離れつつある」と指摘し、「全体的なセンチメントが低迷する中でも、AIやトークン化といったテーマに沿う、よりファンダメンタルズの強いプロジェクトへ資金が流入している」と述べた。

AIトークンの時価総額は現在174億ドルに達し、過去30日で30%増加した。ビットテンソル(TAO)は75%、NEARプロトコル(NEAR)は30%の上昇を記録している。

ステーブルコイン市場も拡大を続け、3月23日時点で時価総額は過去最高の3200億ドルに到達した。テザーのUSDTは約1840億ドルで市場の57%を占めている。
月間取引量も2月に1.8兆ドルと過去最高を記録し、従来の決済インフラに匹敵する水準となった。USDCは供給拡大を主導し、前月比80%増の1.26兆ドルに達した。

ステーブルコインは通常、米ドルなどの法定通貨に連動して価値を維持するよう設計された仮想通貨であり、複数のブロックチェーン上で利用される。
弱気市場では、ステーブルコインは購買力や決済手段として機能し、取引ペアの中心となるほか、トークン化された現実世界資産(RWA)や利回り商品を支える役割も担う。
イーサリアムなどのブロックチェーンでは高い送金量が維持され、銀行やフィンテック企業の機関投資家向け商品にも組み込まれている。このインフラとしての役割は、投機資産が下落する局面でも維持されている。
「構造的追い風」が両分野を支える
両分野が強さを保つ背景には、投機が後退しても実用的価値を提供し続ける点がある。
ト―クン・ターミナルは「AI開発企業とステーブルコイン発行体は、2020年代において最も強い構造的追い風を持つ事業群のひとつ」と指摘した。
さらに、これらは「技術、金融、地政学という3つの力の交差点」に位置しており、それぞれが独立して需要を押し上げていると説明した。
「AIは生産性と防衛能力を高め、ステーブルコインはグローバルなドル流通のための金融インフラを提供する」
仮想通貨トレーダーのMando CT氏は月曜日のX投稿で、AIとステーブルコインが2026年の主要4分野の一角を占めると指摘した。
同氏は、AIが低コストで即時決済を必要とし、ステーブルコインがそれを支える「インターネット上の通貨」であると説明する。
「これらのトレンドは相互に関連している。2026年は単なるサイクルではなく、投機からインフラへの転換点である」と述べた。
本記事は、投資助言または投資に関する推奨を含むものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴うため、読者は意思決定を行う際にご自身で調査を行う必要があります。正確かつ迅速な情報提供に努めていますが、Cointelegraphは本記事に含まれる情報の正確性、完全性、または信頼性を保証するものではありません。本記事には、リスクや不確実性を伴う将来予想に関する記述が含まれる場合があります。これらの情報に依拠したことにより生じた損失または損害について、Cointelegraphは一切の責任を負いません。

