仮想通貨取引所ゾンダ(Zonda)は、ビットコイン(BTC)約4500BTCを保有するコールドウォレットに現在アクセスできない状態にあると明らかにした。同取引所を巡っては、出金遅延を巡る懸念が高まっている。
ゾンダのプシェミスワフ・クラルCEOは木曜日、動画声明でウォレットアドレスを公開し、当該ウォレットの秘密鍵が引き継がれていないと説明した。
声明の中でクラル氏は資金流用の疑惑を否定し、秘密鍵はゾンダ創業者で元CEOのシルベステル・スシェク氏から引き渡される予定だったと述べた。同氏は2022年以降、行方不明となっている。
「私がシルベステルの失踪に関与しているという主張に対しては、彼が見つかることを最も望んでいるという事実こそが最大の反論だ」とクラル氏は語った。
今回の開示は、ポーランド当局による捜査報道や、ブロックチェーン分析企業リカバリスによる分析を受けたものだ。リカバリスは、ゾンダのホットウォレット残高が急減したことを根拠に、同社が債務超過に陥っている可能性を指摘していた。
最終取引は2025年11月
クラル氏によるウォレット公開は、今回の問題を巡りゾンダが初めてアドレスを明かした事例となる。
公開されたアドレスには現在4503BTC(約3億3400万ドル)が保管されているが、最終取引は2025年11月に記録されたままとなっている。

クラル氏は4月6日のリカバリスによる調査後、債務超過の指摘を否定し、ゾンダは4500BTC以上を保有しており、完全に健全な状態だと主張していた。
CEOは顧客への対応を約束
動画の中でクラル氏は、否定的なメディア報道によって、足元で異常な出金申請の急増が発生していると指摘した。
通常、ゾンダの年間出金申請は約10万件だが、4月6日前後には数時間から数日の間に2万5000件を超える申請が発生したという。
同氏は、取引所に関する虚偽の主張に対して法的措置を取る方針を示し、出金問題の中でも顧客への義務は履行すると約束した。

ポーランドの政治家トマシュ・メンツェン氏はXで、スシェク元CEOの失踪によりゾンダがコールドウォレットへのアクセスを失った可能性があると指摘した。クラル氏は資産が失われたとは明言していないが、企業引き継ぎ時に秘密鍵が移転されなかったと述べている。
スシェク氏は2022年3月以降行方不明となっており、ゾンダ(旧ビットべい)の一部株主が犯罪組織と関係している疑いがあるとの報道も出ている。
同取引所は2014年にポーランドで設立され、2021年にゾンダへリブランドされた。クラル氏は2月、ポーランドにおける規制の不確実性を理由に、同社がエストニアで登録されているとコインテレグラフに説明している。欧州連合(EU)のMiCA(暗号資産市場規制)の導入遅れも背景にあるという。
今回の問題は政治的議論にも発展しており、規制当局への圧力を強めるとともに、ポーランドの仮想通貨市場に対する監視を一段と高めている。

