ビットコイン(BTC)は、2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、米国株や金を上回るパフォーマンスを示しており、今年最大級の地政学ショックの中でも強さを維持している。
ただし、中東の供給混乱が4月以降も続けば原油価格が1バレル180ドルに迫る可能性があると観測も出ており、その場合BTCの上昇は大きな試練に直面する可能性がある。

原油急騰がビットコインに逆風
金曜日時点で、ブレント原油は約105ドルで取引されており、イランへの攻撃以降、約50%上昇している。

Kplerのデータによると、イランのホルムズ海峡を通過する原油輸送量は、2月の日量2513万バレルから3月中旬には971万バレルまで減少した。

エネルギーデータ企業Vortexaは、さらに急激な減少となる日量750万バレルまで落ち込んでいると推計しており、中東の供給ショックの規模と、原油がさらに70%上昇すると予想される理由を浮き彫りにしている。
2023年の米連邦準備制度理事会(FRB)の研究によると、原油価格が10%上昇するごとに、米国の消費者物価指数(CPI)は約0.35〜0.40ポイント押し上げられる。
この試算に基づけば、原油高が長期化した場合、インフレ率は約2.5〜2.8ポイント上昇し、現在の2.4%を大きく上回り、FRBの目標である2%からさらに乖離する可能性がある。
市場はすでにこのリスクを織り込みつつある。
金融緩和期待はよりタカ派方向にシフトしており、市場は2026年中の2回目の利下げを織り込まなくなり、最初の利下げ時期も2027年10月へと後ずれしている。

金利上昇は借入コストを高止まりさせ、流動性を引き締め、ビットコインや株式といったリスク資産への投資意欲を低下させる傾向がある。
一方で、紛争の緊張緩和の兆しが見られれば、原油高は急速に沈静化する可能性もある。
過去を見ても、こうした急騰は短命に終わるケースが多く、価格は時間とともに正常化し、市場の不安が後退する中でビットコインが再び強さを取り戻す傾向がある。
BTC5万1000ドル下落シナリオも
原油180ドルの警戒が高まる中、ビットコインの上昇トレンドには疲れも見え始めている。
BTC価格は直近高値である約7万6000ドルから9.50%下落し、木曜日時点では7万ドルを下回って推移している。チャート上では弱気フラッグが形成されており、下値目標は5万1000〜5万2000ドルとなっている。

今回の調整は、マイケル・セイラー氏率いるストラテジーによるBTC購入が完全に停止したタイミングとも重なっている。
同社は3月15日までの週に2万2337BTC、その前週に1万7994BTCを購入していたが、今週は新規購入を行わなかった。

これは重要な変化である。ストラテジーは最近まで、世界のマイニング供給量の数週間分に相当するペースで需給を吸収していたため、その不在はマクロリスクが高まる局面で需要の大きな支えが失われることを意味する。
さらに、コインベース・プレミアムもマイナス圏に転じており、原油供給ショックが続く中で米国の需要が弱まっていることを示している。
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