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Zoltan Vardai
執筆者:Zoltan Vardaiスタッフライター
Bryan O'Shea
校閲:Bryan O'Sheaスタッフ編集者

ストラテジー社のビットコイン・エンジンに「280億ドルの壁」:Delphi Digital

ストラテジー社のビットコイン・エンジンに「280億ドルの壁」:Delphi Digital
ニュース

Delphi Digitalによると、ストラテジー(Strategy)社が好んで利用している優先株による資金調達エンジンが、来年中に重大な制約に直面する可能性がある。発行枠を拡大するか、普通株の販売により重点を置かない限り、同社のビットコイン(BTC)購入スピードが鈍化する恐れがあるという。

Delphiは、ストラテジー社の「変動利回りシリーズA永久ストレッチ優先株(通称:STRC)」が同社の主要なビットコイン購入ツールとなっている一方で、約283億ドルの発行上限が設定されていると指摘した。

報告書は、この上限が延長されないまま到達した場合、ストラテジー社のビットコイン蓄積は「配当義務だけが残る一方で、鈍化または停止する可能性がある」としている。

この分析は、世界最大のビットコイン保有企業である同社の蓄積ペースを左右する主要な資金調達メカニズムが、転換点に近づいていることを浮き彫りにしている。

ストラテジー社は月曜日、4,300万ドルで535 BTCを追加取得したと発表した。これは2億5,500万ドルで3,273 BTCを購入した4月27日以来の投資である。提出書類によると、STRC株の発行で賄われた資金は約10万ドルに留まり、取得額の大半である4,290万ドルはクラスA普通株(MSTR)の売却によって賄われていた。

STRCは、2025年7月にストラテジー社が25億ドルの新規株式公開(IPO)を行って導入したものである。ナスダックに上場しているこの優先証券は、変動制の月次配当を支払っており、現在は11.5%となっている。また「永久」であるため、同社は特定の期日に株式を買い戻す義務を負わない。

Source: Delphi Digital

STRC発行上限後も、多様なモデルでの資金調達が可能

Delphi Digitalのリサーチャーは、ストラテジー社には他にも資金調達メカニズムがあると指摘している。これらは主に、企業の企業価値と保有仮想通貨の総価値の比率を測定する「市場純資産価値(mNAV)」に依存する。

Delphiのリサーチ責任者であるセテリス(Ceteris)氏はコインテレグラフに対し、「MSTRのmNAVが低い限り、ストラテジー社はSTRCを主要な蓄積手段として利用し続けるだろう。もしmNAVが再び拡大すれば、普通株(MSTR)の時価発行(ATM)を増やしてBTCを取得するのが賢明だ」と述べた。

ストラテジー社のダッシュボードによると、木曜日時点のmNAVは1.25倍で、1年前の2.11倍から低下している。これは、同社が依然としてビットコイン保有量に対してプレミアム(上乗せ)価格で取引されていることを意味する。

Strategy MSTR mNAV, other key metrics. Source: Strategy.com

mNAVが1を下回ると企業の資金調達能力は制限されるが、1を上回っていればビットコイン取得のためのさらなる株式発行が可能となる。

2027年9月に控える大規模な現金支払い義務

報告書の著者であるDelphi Digitalのリサーチャー、アタルヴァ・D(Aatharv D)氏によると、ストラテジー社は2027年9月に次の大きな現金支払い義務を控えているが、これは22億5,000万ドルの現金準備金で十分にカバーされる見通しだ。

同氏はコインテレグラフに対し、「財務状況はパニックに陥るような内容ではない」とし、次のように付け加えた。 「経営陣がサイクルの底を打ったと判断しているのであれば、姿勢としてはBTCの蓄積に注力し、引き下がることはないだろう」

現在、ストラテジー社は優先株の配当支払いのために普通株の時価発行(ATM)プログラムを利用している。しかし、mNAVが拡大すれば普通株の発行がより有利になるため、ATMによる収益をビットコイン蓄積へと「再配分」することが可能になり、STRCの発行枠にも「息継ぎの余地」が生まれると同氏は説明している。

ストラテジー社のATMプログラムは、普通株(MSTR)またはSTRCなどの優先株を市場価格で直接オープンマーケットに売却できる仕組みであり、大規模な募集を行わずに資金調達を可能にする。同社は3月24日に最新の440億ドル規模のATMプログラムを開始している。

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