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Helen Partz
執筆者:Helen Partzスタッフライター
Yohan Yu
校閲:Yohan Yuスタッフライター

量子コンピューター対策の拙速な導入に警鐘 ビットコインに新たなリスクを招く恐れ=サムソン・モウ氏

量子コンピューター対策の拙速な導入に警鐘 ビットコインに新たなリスクを招く恐れ=サムソン・モウ氏
ニュース

ビットコインでの量子コンピューター対策を急ぐ動きに対し、Jan3創業者でビットコイン支持者のサムソン・モウ氏が警鐘を鳴らした。コインベース幹部による迅速対応の呼びかけに反応したものだ。

モウ氏は土曜日、Xでコインベースのブライアン・アームストロングCEOと最高セキュリティ責任者フィリップ・マーティン氏の発言に言及し、業界が量子コンピュータの脅威に早急に備えるべきだとの主張に反論した

モウ氏は、ポスト量子暗号(PQ暗号)が将来的にビットコイン(BTC)を保護する可能性は認めつつも、拙速な導入は互換性問題や署名サイズの増大によるネットワーク効率低下といった新たな脆弱性を生む恐れがあると指摘した。

「簡単に言えば、量子コンピュータ対策のためにビットコインを変更した結果、通常のコンピュータに攻撃される可能性がある」と述べ、不適切なタイミングでの移行が現行の脅威に対してかえって脆弱になる可能性を警告した。

この議論は、グーグルカリフォルニア工科大学の研究によって量子コンピューティングの進展への懸念が再燃する中、ビットコインの将来耐性を巡る議論が活発化していることを反映している。

ブロックサイズ問題の再燃懸念

モウ氏が特に懸念するのは、量子対策がパフォーマンスに与える影響だ。特にブロックサイズ、すなわち1ブロックに格納可能なトランザクションデータ量への影響を指摘した。

元ビットコイン開発者のヨナス・シュネリ氏の見解を引用し、「PQ署名は現行の10倍から125倍のサイズとなる可能性があり、スループットを大幅に低下させる」と述べた。

この問題は「ブロックサイズ戦争2.0」を引き起こす可能性があると続けた。

ビットコインのブロックサイズ論争は2015年頃に始まり、2017年にピークを迎えた。トランザクション処理能力向上のためのブロックサイズ拡大を巡りコミュニティが分裂し、分散性やネットワーク安全性、ガバナンスを巡る問題が浮き彫りとなった。最終的には単純なサイズ拡大ではなく、別のスケーリング手法が採用された経緯がある。

対策は必要だが拙速は危険

モウ氏は量子耐性の導入を急ぐことには反対しつつも、対策の研究自体は継続すべきだと強調した。

「量子コンピュータは現時点では実用化されておらず、実現まで10年から20年かかる可能性が高い。その中で最悪なのは、急いで対策を導入することだ」と述べた。

一方で、「準備のための研究を進めるべきであり、すでに多くの取り組みが行われている」とも付け加えた。

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