金や原油といった現実世界資産(RWA)に連動するオンチェーン永久先物の取引量が急増しており、投資資金がアルトコインからコモディティ連動型デジタル資産へ移動している兆候が見られる。デジタル資産銀行シグナムが木曜日に公表したレポートで指摘している。
シグナムのレポートによると、分散型取引所ハイパーリキッドにおける原油および貴金属の永久先物の取引高は、2026年第1四半期のHIP-3契約の67%以上を占めた。
従来はインデックス商品がHIP-3取引の約90%を占めていたが、現在は約17%まで低下している。

また、週末のHIP-3取引高は2026年1月以降で約9倍に増加しており、「アルトコイン市場の低迷を受け、仮想通貨ネイティブのトレーダーが伝統資産へ資金をシフトさせている可能性が高い」と指摘している。
シグナムのデジタル資産エコシステム調査責任者であるルーカス・シュヴァイガー氏は、トークン化された現実世界資産(RWA)の時価総額が前年比で250%増加している点も、この流れを裏付けると述べた。
執筆時点で、パーミッションレスなブロックチェーン上で取引されるトークン化RWAの規模は約230億ドルに達しているという。

同氏はさらに、トレーダーがアルトコインを「レバレッジをかけたビットコインの代替品」として扱っていると指摘した。
「同じウォレット、同じ証拠金で取引できるため、仮想通貨ネイティブの資金が自然と伝統資産の永久先物へと流れる」と説明している。
中東での戦争とエネルギーインフラの混乱により原油価格は急騰する一方、多くのアルトコインは過去最高値から80〜90%下落している。
中東情勢で景気後退懸念も拡大
米国とイランの戦争により中東の重要なエネルギーインフラが損傷し、原油価格は1バレルあたり約120ドルまで上昇した。
戦闘開始以降、原油価格はトランプ大統領やイラン政府の発言、地政学的動向に応じて大きく変動している。
コインビューロー創業者で市場アナリストのニック・パクリン氏は、2026年に原油価格が100ドルを上回る水準で推移すれば、インフレが加速すると指摘した。
市場は依然として停戦や早期終結の可能性を織り込んでいるが、同氏は「紛争が長期化し、インフレが高止まりすれば、利下げ期待は崩れる可能性がある」と警告している。

2月28日の戦闘開始以降、予測市場ポリマーケットでは米国の景気後退確率が36%まで上昇した。
さらに格付け会社ムーディーズは、2026年に米国が景気後退に陥る確率が約50%に近づいていると指摘している。

