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Yashu Gola
執筆者:Yashu Golaスタッフライター
Allen Scott
校閲:Allen Scottスタッフ編集者

「100ドル突破」の号砲か HYPE急騰の裏で膨らむ“熱狂マネー”

「100ドル突破」の号砲か HYPE急騰の裏で膨らむ“熱狂マネー”
アルトコイン

暗号資産市場で、またひとつ“主役候補”が現れた。

分散型取引所Hyperliquidのネイティブトークン「HYPE」が、わずか5日で3割超も急騰。一時は74ドル、円換算で約1万1800円の過去最高値近辺まで駆け上がった。市場ではいま、「次は100ドル、いや105ドルもある」との声が広がっている。

HYPE/USD daily chart. Source: TradingView

背景にあるのは、チャート上に現れた強気サインだ。HYPEは5月下旬の急騰で「旗ざお」を作り、その後、三角もち合いに入った。いわゆる「ブル・ペナント」である。教科書通りなら、上抜け後の目標値は105.30ドル。日本円では約1万6800円だ。

HYPE/USD daily chart. Source: TradingView

だが、熱狂には影も差す。HYPEのRSIは77を超え、買われすぎ圏に入った。利益確定売りが強まれば、20日移動平均線の58.32ドル、約9300円前後まで押し戻される可能性もある。強気相場の顔をしていても、足元はすでに過熱気味なのだ。

さらに市場の火に油を注いでいるのが、先物市場である。

Coinglassのデータによると、Hyperliquidの未決済建玉は過去最高の35億ドル、約5590億円まで膨らんだ。年初の14億1000万ドル、約2250億円から一気に拡大した格好だ。

Hyperliquid open interest. Source: CoinGlass

資金調達率もプラス圏で推移し、ロング勢がショート勢に手数料を払う構図が続いている。つまり、レバレッジをかけた強気派が市場を支配している。

Hyperliquid OI-weighted funding rates. Source: CoinGlass

その一方で、ショート勢は焼かれている。5月20日以降、HYPEでは約1億2628万ドル、約202億円のショートポジションが清算された。ロング清算は約6885万ドル、約110億円にとどまる。価格上昇に耐えられなくなった弱気派が、次々と買い戻しを迫られる「ショートスクイーズ」が起きているのだ。

Hyperliquid total liquidation chart. Source: CoinGlass

こうなると、相場は自走し始める。上がるから買う。買うから上がる。ショートが焼かれ、さらに買い戻しが入る。100ドル、約1万6000円という節目は、もはや単なる夢物語ではなくなってきた。

ファンダメンタルズも、HYPE人気を後押しする。

DefiLlamaによれば、Hyperliquidは30日間のアプリ収益でEthereumを上回り、ブロックチェーンとして2位に浮上した。収益は5790万ドル、約92億5000万円。プロトコル手数料の99%は「Assistance Fund」に回され、市場でHYPEを買い戻す仕組みになっている。取引が増えれば増えるほど、HYPEへの買い需要が生まれる構図だ。

Top revenue-generating protocols. Source: DefiLlama

米商品先物取引委員会(CFTC)が無期限先物について「価格発見やリスク管理に有用」と認めたことも追い風となった。Hyperliquidが直接の恩恵を受けるわけではないが、同社の中核事業である無期限先物市場に“お墨付き”が与えられた格好だ。HYPEはこの発表以降、約25%上昇している。

US Spot HYPE ETF net flows. Source: SoSoValue

さらに、米国上場のHYPE関連ETFも資金を吸い寄せる。Bitwiseと21SharesのHYPEファンドには、5月12日の取引開始以降、合計1億2220万ドル、約195億円が流入したとされる。機関投資家も、この新興トークンに食指を動かし始めた

ただし、ここまで材料がそろうと、逆に怖さもある。未決済建玉は過去最高、RSIは過熱圏、ショート清算も進んだ。相場が一方向に傾きすぎれば、反動も大きい。

HYPEは100ドルの大台を射程に入れた。だが、その足元には、熱狂とレバレッジで膨らんだ危うい床板も広がっている。

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