Hut 8(ハット・エイト)が水曜日に発表した2026年第1四半期の純損失は2億5,300万ドルを超えたが、投資家はこの結果を意に介さない様子で、同ビットコインマイニング企業の株価を33%以上押し上げた。
Hut 8はこの損失について、保有するビットコイン(BTC)の市場価値の下落が原因であるとしている。ビットコイン価格は10月の12万6,000ドル超の最高値から、2月には6万ドルの安値まで下落していた。
決算報告書によると、第1四半期の収益は合計7,100万ドル強で、前期の8,840万ドルから約22%減少した。FactSetによるアナリスト予想の7,850万ドルを下回る結果となった。
一方で同社は、第三者のAI企業に対し、15年間にわたって352メガワット(MW)をリースする98億ドルの契約を発表した。水曜日の発表資料によれば、同社は第1四半期において、ASICコンピューティング、AIクラウド、および従来のクラウドソリューションから6,600万ドルの収益を上げている。

Hut 8's stock surged following news of a $9.8 billion deal. Source: Yahoo Finance
AIおよびエネルギーインフラへの多角化は、業界全体で見られる仮想通貨マイニングからの脱却の動きを反映している。上場マイニング各社は、高コストと収益減少に苦しんでいるのが現状だ。
AIとビットコインマイニングの間で激化する電力争奪戦
仮想通貨トレーダーで市場アナリストのラン・ノイナー(Ran Neuner)氏によれば、AIへのシフトはビットコインマイニング業界を脅かす存在だという。
「両業界は同じもの、つまり『電力』を奪い合っている」とノイナー氏は指摘し、「現在、AIはマイニングよりもはるかに高い対価を支払う用意がある」と付け加えた。
同氏によると、マイニング企業がブロックチェーンのセキュリティを確保することで得られる収益が1MWあたり57ドル〜129ドルであるのに対し、AIインフラのホスティングでは1MWあたり200ドル〜500ドルを稼ぐことができるという。

Revenue comparison for Bitcoin mining and AI hosting. Source: Ran Neuner
マイナーがより収益性の高いAI事業に焦点を移すにつれ、ビットコインネットワークの保護に割り当てられる総演算能力(ハッシュレート)が低下し、ネットワークが攻撃されやすくなる可能性があるとノイナー氏は警告している。
ビットコインマイニングやAIワークロードを含むハイパフォーマンス・コンピューティング・アプリケーションを動かすための膨大なエネルギー需要は、原子力発電への需要も呼び起こしている。
2024年以降、Google、Microsoft、Amazon、MetaなどのAIハイパースケーラー各社は、AIインフラに電力を供給するための原子力エネルギー契約を相次いで発表している。

