ビットコイン(BTC)が火曜日、ついに7万ドル(約1118万円)を割り込んだ。
2カ月ぶりの安値である。売り方の勢いは衰えず、暗号資産市場にはじわりと不穏な空気が広がっている。
株式市場が高値を更新する一方で、暗号資産だけが取り残される――。そんな奇妙な構図が鮮明になってきた。
ビットコイン、2カ月ぶり安値
トレーディングビューのデータによれば、ビットスタンプでのビットコイン価格は一時6万9631ドル(約1112万円)まで下落した。
株式市場の上昇に追随できなかったビットコインは、他のリスク資産との乖離をさらに広げ、この日は約2%安となった。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
そのしわ寄せを受けたのが、暗号資産のロング勢である。コイングラスのデータによると、執筆時点でビットコインとアルトコインを合わせた24時間の清算額は8億ドル(約1278億円)に迫っていた。

Crypto liquidation history (screenshot). Source: CoinGlass
「圧力は高まっている」
トレーダーのアルディ氏は、Xへの投稿でこう警鐘を鳴らした。
同氏によれば、ビットコインはこの24時間で複数の重要な支持線を失い、すでに急角度だった下降チャネルをさらに下抜けしつつあるという。
特に重要だったのが、7万2500ドル(約1158万円)の水準だ。
「複数の時間軸で支持線が崩れ始めると、市場はたいてい次の大きな流動性の節目へ向かう。私にとってそれは6万8700ドル付近だ」
6万8700ドルは約1097万円にあたる。
アルディ氏は、ビットコインが早期にこの下落分を取り戻せなければ、まもなくその水準へ向かう可能性があるとみている。

BTC/USD one-day chart. Source: Ardi/X
「ベアラダイス」への片道切符か
暗号資産分析サービスのマテリアル・インディケーターズも、独自の売買分析ツールが示すシグナルに懸念を示した。
同サービスはXで、現在の値動きについて「ここから底固めの保ち合いに入るのか、それとも次の下落局面へ進むのかを見極める必要がある」と指摘した。
さらに、価格がまた一つ「タイムスケープ」の水準を割り込んだことは、弱さを示すサインだという。
本当の試金石は、2026年第2四半期のタイムスケープが位置する6万8000〜6万9000ドル台。円換算では約1086万〜1102万円のレンジである。

BTC/USD one-month chart. Source: Material Indicators/X
マテリアル・インディケーターズは、下落が続けば200日単純移動平均線が意識される展開になるとも述べた。
そして、こう付け加えた。
「強気派がこのレンジを失えば、荷物をまとめて“ベアラダイス”行きだ」
ベアラダイス。
弱気相場の楽園――いや、買い方にとっては楽園どころか、逃げ場のない地獄である。
株は最高値、暗号資産は中東情勢を織り込む
ビットコインには、複数の逆風が吹いている。中でも重荷となっているのが、米国とイランの停戦合意を巡る不透明感だ。
月曜日の時点では、停戦がうまくいく可能性は低いとみられていた。
その後、ドナルド・トランプ米大統領は、双方の協議が「急ピッチで継続している」と明らかにした。
しかし、暗号資産市場の疑心暗鬼は晴れない。
一方、米株式市場は別世界のような強さを見せた。S&P500は初めて7600ポイントを突破し、過去最高値を更新。その後はやや上げ幅を縮めた。
同サービスによれば、3月30日以降の時価総額増加分は11兆7000億ドル。円換算では約1868兆円にのぼる。

S&P 500 one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
株式市場が祝杯をあげるその横で、暗号資産市場はひとり冷たい雨に打たれている。
7万ドルの節目を失ったビットコイン。次に試されるのは、強気派が本当にまだ市場に残っているのか――その一点である。
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