ビットコイン(BTC)に、異様なシグナルが点灯している。
テクニカル指標で見ると、いまのビットコインは2020年3月の「コロナ・ショック」以来となる水準まで売られすぎている。市場では、今後数週間で7万ドル、日本円で約1120万円に向けた“ relief rebound ”、つまり反発局面に入る可能性が意識され始めている。
ポイントはこうだ。
ビットコインの日足RSIは15.5前後まで低下した。これは、一般的に「売られすぎ」とされる30を大きく下回る水準で、2020年3月のコロナ暴落以来の低さである。
過去にも似た局面はあった。2020年、そして2026年2月には、同じようにRSIが極端な低水準まで落ち込んだ後、それぞれ約50%、約30%の急反発が起きている。
6万ドル割れを拒むビットコイン
土曜日時点で、ビットコインの日足RSIは15.5近辺にあった。30を下回れば通常は売られすぎとされるが、今回はその半分ほどまで沈んでいる。2020年3月の市場崩壊以来、最も強烈な売られすぎサインだ。

BTC/USD daily chart. Source: TradingView
この極端な売られすぎは、過去1カ月でビットコインが約30%下落した後に現れた。背景には、地政学リスク、原油価格の上昇、2026年内の米連邦準備制度理事会(FRB)利下げ期待の後退、さらにストラテジーによる最新のビットコイン売却をめぐる不安がある。
ただし、ここまで売られすぎると、売り手の体力が尽きる「売り枯れ」局面に近づくこともある。短期筋が反発を見込んで買いを入れ始める場所でもある。
2020年には、ビットコインのRSIが15.56前後まで落ち込んだ。その後、FRBが緊急的にゼロ金利政策と大規模な債券購入に踏み切ったことも追い風となり、ビットコインは約50%反発した。
もっとも、ビットコインは必ずしも大きなマクロ材料がなくても、極端な売られすぎ水準から急反発したことがある。
たとえば2026年2月、ビットコインの日足RSIは15.86前後まで低下した。このとき価格は6万ドル、日本円で約960万円のサポートを維持していた。その後、ビットコインは8万2850ドル、約1326万円近辺まで、およそ30%回復している。

BTC/USD daily chart. Source: TradingView
今回も強気派は6万ドルの防衛線を守っている。大量の売りが出ているにもかかわらず、弱気派は決定的な下抜けをまだ確定させられていない。
この水準を維持できれば、今後数週間で20日指数平滑移動平均線、いわゆる20日EMAのある7万650ドル、約1130万円付近まで反発する可能性が高まる。

BTC/USD daily chart. Source: TradingView
一方で、6万ドルを明確に割り込めば話は変わる。反発シナリオは弱まり、5万ドル台半ば、つまり約880万円前後まで下落する余地が開く。そのあたりで、改めて売られすぎからの反発を探る展開になるかもしれない。
「底は近い」アナリストが指摘する理由
暗号資産アナリストのスコット・メルカー氏によると、チェックオンチェーンのデータでは、ビットコインの短期保有者が過去最大級の損失を実現しているという。
短期保有者の実現損益比率は過去最低を更新し、過去のビットコイン下落局面で見られた水準を下回った。

Bitcoin short-term holder realized profit/loss ratio vs. price. Source: Checkonchain
この指標は、最近買った投資家が利益を出して売っているのか、それとも損失を出して投げ売りしているのかを見るものだ。大きくマイナスに傾くということは、新規参入組が取得価格を下回る水準で売却していることを意味する。つまり、パニック売りである。
メルカー氏はさらに、長期保有者が持つ約530万BTCが現在、含み損状態にあるとも指摘した。これはFTX破綻後のピークを上回り、2020年3月のコロナ暴落以来の高水準だという。
過去にも、こうしたストレスは「総悲観」の局面で現れてきた。
FTX破綻後、ビットコインは1万5500ドル、約248万円付近で底を打った。その後、2025年には12万6000ドル、約2016万円近辺まで上昇し、約690%の上昇を記録した。
コロナ暴落後も同じだ。ビットコインは3800ドル、約61万円から、6万9000ドル、約1104万円近辺まで上昇した。上昇率は約1700%に達した。
メルカー氏はこう語る。
「センチメントは価格とほぼ完全に連動してきた。トレーダーは5月のピークで陶酔し、6月3日には絶望の極みに達した。底が近いのは、たいていそういう時だ。たいていは」
市場の空気は、いま最悪に近い。
だが、暗号資産市場ではしばしば、その最悪の瞬間こそが次の反転の入口になる。
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