ビットコイン(BTC)が、またしても不穏な水準に沈み込んでいる。
水曜日、ビットコインは2カ月ぶりの安値圏で推移した。市場関係者の間では、2022年の弱気相場との比較が再び持ち出されている。あの年、暗号資産市場は何度も「ここが底だ」と期待を抱かせながら、容赦なく下値を掘り続けた。
今回も、その記憶を呼び覚ますような値動きだ。
トレーディングビューのデータによると、ビットコインはビットスタンプで一時6万5362ドル、約1046万円まで下落した。これは4月上旬以来の安値である。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
市場ではすでに数十億ドル規模の清算が発生している。そのうえで、トレーダーたちからは「弱気相場の最悪局面はまだこれからではないか」との警戒論が相次いでいる。
「50カ月EMA」割れは時間の問題か
注目されているのは、50カ月指数移動平均線、いわゆる50カ月EMAだ。
トレーダーでアナリストのレクト・キャピタルは、このトレンドラインを6万6628ドル、約1066万円に位置づけている。彼はXへの投稿で、ビットコインはいずれこのEMAを割り込み、弱気相場の中でより大きな下落局面へ向かう可能性が高いと警告した。
レクト・キャピタルによれば、2022年の弱気相場と同じ展開をたどるなら、ビットコインはまず一時的な反発を見せる。その反発で「戻り高値」を作った後、再び50カ月EMAへ下落する。そして最終的には、その重要なサポートラインを失う――という筋書きだ。
彼はこうも指摘している。歴史的に見ると、ビットコインは50カ月EMAにいったん反発する傾向がある。しかし弱気サイクルが進むにつれ、その水準をサポートとして維持できなくなる。
つまり、いま市場が見ているのは「底打ちの兆し」ではなく、「一時的な小休止」にすぎない可能性がある。

BTC/USD one-month chart with 21, 50EMA. Source: Rekt Capital/X
2026年相場は「2022年をほぼ完璧にコピー」
別のトレーダー、リヴァイアサンも、さらに踏み込んだ見方を示した。
彼は、2026年の弱気相場が前回の弱気相場を「ほぼ完璧にコピーしている」と表現した。各段階が同じ順番で現れているというのだ。
そのうえで、重要なラインとして挙げたのが6万ドル、約960万円である。
この水準を守れれば、流動性の一掃は終わり、回復が始まる可能性がある。だが、ここを失えば、より深い調整に入り、下には明確なサポートが見当たらない。
「ひとつの価格帯が、まったく異なる二つの未来を分ける」
市場はまもなく、そのどちらを選ぶのかを突きつけられることになる。

BTC/USD two-week chart comparison. Source: Leviathan/X
次は6万3000〜6万5000ドルでの膠着か
また、トレーダーのキラは、2022年の値動きを参照しながら、今後数週間は6万3000〜6万5000ドル、約1008万〜1040万円のレンジでのもみ合いが続く可能性を示した。
急落の後にすぐ反発するのではなく、投資家心理をじわじわ削るような横ばい相場が続く。2022年にも、市場はそうやって希望と失望を繰り返した。
暗号資産市場にとって、本当に厄介なのは暴落そのものではない。むしろ「もう大丈夫かもしれない」と思わせたところで、再び下を試す展開である。

BTC price chart comparison. Source: Killa/X
それでも残る“715%上昇”の記憶
もっとも、悲観一色というわけではない。
分析アカウントのパラドックスは、50カ月EMAをいったん失った後に、ビットコインが再びそのラインを回復した場合の歴史的な上昇率に注目した。
2022年、ビットコインは月足の50カ月移動平均線を割り込んだ。しかし5カ月後にこれを回復すると、その後2年間で715%のリターンを生んだという。
つまり、重要ラインの喪失は短期的には弱気材料だが、長期的には大きな反転の起点になる可能性もある。
実際、今年2月にはビットコインがこのトレンドラインを下回って日足を何度か終えたものの、完全な崩壊は回避した。3月と4月には、同ラインがサポートとして機能していた。
問題は、今回も同じように耐えられるのかという一点である。

BTC/USD one-day chart with 50-month EMA (blue line). Source: Cointelegraph/TradingView
市場が見つめる「960万円の攻防」
ビットコインは現在、重要な分岐点に立たされている。
6万6628ドル、約1066万円の50カ月EMAを維持できるのか。あるいは6万ドル、約960万円の大台まで押し込まれ、そこで踏みとどまれるのか。
2022年の相場を知る投資家ほど、今回の値動きに既視感を覚えているはずだ。あの時も、何度も反発の兆しはあった。だが、そのたびに市場は裏切られた。
今回もまた、暗号資産市場は同じ物語をなぞっているのか。
ビットコインが「2022年の悪夢」を再演するのか、それとも歴史を裏切って反転するのか。答えは、まもなく6万ドル近辺の攻防で見えてくる。
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